●●● 治療薬剤@CBZ:NP イミノスチルベン誘導体 【一般名(商)】DJ カルバマゼピン(テグレトール) 【用法・用量】 DJ 規格:錠 200mg 細粒 500mg/g   1日200〜400mg,分1〜2,漸増1日600mg,1日1200mgまで   三叉神経痛には1日800mgまで 【作用機序】 NP @小発作以外のてんかん特に精神運動発作の第一選択薬   A辺縁系の痙攣発射抑制作用 GABA神経機能を高める   B青斑核ノルアドレナリン神経の発射を増大させるのはフェニトインと異なる   CGABA神経機能およびノルアドレナリン神経機能の亢進が関与すると言われて いるが詳細不明 【服薬指導】 DJ @禁酒    A車・危険な作業禁止 UD @勝手に止めない.光過敏あり,日光に当たり過ぎないこと.   A口渇あれば無糖ガム,氷片   B他の医師を受診するときカルバマゼピンを飲んでいると伝える.   C食事と一緒に服用する   D急な減薬,増薬不可 【投与時・剤型変更時の注意】 DJ 急な減薬不可(発作重責状態が現れる) 【飲み忘れや過量投与後の処置法と注意】 UD @次回に近いとき抜く. DJ @過量時の症状→痙攣,めまい,嗜眠,遅い呼吸,ふるえ,頻脈 ##         脳症,発作増悪 【副作用と処置】 HI @骨髄抑制 抹梢血中の白血球数減少 UD @中止:口腔創傷・潰瘍 咽喉炎 発熱 異常な出血・紫斑 異常な疲労・脱力感   A要診:尿の黒色化,足の痛み・腫れ・青み 青い便 眼や皮膚の黄変   B要診:霧視,複視,蕁麻疹,老人に精神錯乱   C要診:眼球運動,会話困難,失神,頻尿,不整脈,動悸,徐脈,情動不安,精神 抑うつ しびれ,痛み,脱力,耳鳴り,尿量減少,下脚部腫張,呼吸困難,非制 御的体動,幻覚 DJ @中止:過敏症  A中止: Stevens-Johnson症候群,Lyell症候群,SLE様症状,剥脱性皮膚炎   B中止:血液症状,肝臓   Dその他:腎臓(タンパク尿,欠尿,BUN,血清クレアチニンの上昇)   Eその他:精神神経系   F要定期検診:眼(調節障害,複視,眼振)→視力検査   Gその他:心血管系(刺激伝導障害,血栓塞栓症)   Hその他:消化器  I中止:内分沁系(低Na血症,低浸透圧血症,尿中Na排泄量の増加,高張尿, 痙攣,意識障害を伴う抗利尿ホルモン不適合分沁症候群(SIADH)        → 水分摂取制限   J中止:呼吸器(まれにPIE症候群:好酸球増多を伴う肺浸潤,発熱,咳嗽,喀 痰)   Kその他:発熱,口渇,脱毛,リンパ節腫張 【禁忌】 DJ @過敏の者A重篤な血液障害者B第2度以上の房室ブロック,高度の徐脈 【相互作用】 DJ @本剤↑:飲酒又はMAO阻害剤で相互作用増強   A本剤↓:クマリン系抗凝血剤(ワルファリン),黄体・卵胞ホルモン剤,抗てん かん剤(HIでは,PBとPHTが挙げられている),ブチロフェノン系 精神神経用剤(ハロペリドール)   B本剤↑:本剤の血中濃度上昇,中毒症状が現れることがある(マクロライド系抗 生物質,イソニアジド,ベラパミル,ジルチアゼム,シメチジン,メト クロプラミド,ダナゾール)   Cその他:Na喪失性利尿剤との併用により低Na血症が現れることがある.   Dその他:炭酸リチウム併用により精神神経系症状が現れることがある. 【佐薬】 UD 他の薬に変更するときは,ジアゼパム又はバルビツール酸化合物の併用が望ましい (増悪の防止) 【注意すべき検査値】 DJ 肝・腎機能検査 血液検査(白血球) 2週間毎に行う 【体内薬物動態】 GG 有効血中濃度:4〜10 (μg/ml) #1 population parameters: 成人               平均値     標準偏差    単独投与(+/- VPA) ke(1/hr)=0.0363-0.000188・Age 30%,CV 併用投与(+PB/+PHT)     =0.0548-0.000284・Age 30%,CV 小児 12>Age    単独投与(+/- VPA) ke(1/hr)=0.0618-0.00188・Age 30%,CV 併用投与(+PB/+PHT) =0.0548-0.00285・Age 30%,CV 成人・小児 ka(1/hr)= 1.23  86%,CV Vd/F(L/kg)= 1.61 35%,CV     Cp variability (μg/mL,S.D.)        0.66  【メモ】 【参考文献】 #1 堀 了平 et al., 薬剤学 49(4),304(1989)