●●● 治療薬剤@:MP 強心配糖体 【一般名(商)】DJ ジゴキシン(DT ジゴキシン,ジゴシン,ジゴシンエリキシル)           ジギトキシン(DT ジギトキシン)はDJ参照 【用法・用量】 DJ 規格:錠 0.25mg 散0.5mg/g(DI) エリキシル 0.05mg/ml      注 0.25mg/1mlA   @急速飽和療法   A比較的急速飽和療法   B緩徐飽和療法   C維持療法 内:1日0.25〜0.5mg 注:1日0.25mgを静注   極量:1日0.5mg(維持療法)   小児の場合は用法・用量が異なるので注意→詳細はDJ参照 【作用機序】 NP @心収縮力増強作用が一義的効果   A二次的に全身の循環系,利尿,自律神経系へ関与する.   B心筋内の活性Caが増えて収縮力増強を起こす.明確な機構不明.   CNa,K-ATPアーゼを抑制するが収縮力増強作用との関連不明.   D低K血症のとき強心配糖体は増強,K不足のときK投与が中毒の処置となる.   ENa,K-ATPアーゼ抑制により細胞内Na濃度上昇,Naの外向き流出はCa と同輸送路のためNa流出が増加すればCa流出が減少する.また膜のCa貯蔵 部位(小胞体)からのCa遊離を増大→収縮力増大. 【服薬指導】 UD @症状が軽快しても医師の指示通り服用   A自分の脈拍を覚えておく.定期的に測定.異常なら→要診察   Bジギタリス中毒の症状に注意(副作用の項参照)   C外科手術を受けるとき,医師にジギタリスを服用していると伝える   D液剤は凍結不可 【投与時・剤形変更時の注意(理由)】 CD @吸収への食事の影響はわずからしい.   A繊維質が吸収を遅らせる.   B甘草誘起性低K血症がジギタリス毒性をおこすことがある.   CビタミンD誘起高Ca血症がジゴキシン毒性を増すことがある. 【飲み忘れや過量投与後の処置法と注意】 UD @過量投与時の初期    薬物治療の中止 Kは低K血症で腎機能が正常な場合に投与 高K血症や上室性 頻拍と関連しない完全房室ブロックの場合は使用しない   A低K血症に対するKの補給    A.経口     成人40〜80mEq 小児1〜1.5mEq/kg    B.静注(緊急時)     成人 40〜80mEq(5%ブドウ糖500ml中に40mEq希釈)を,1時間あたり 20mEq を越えない速度で投与し,モニタリングで用量調節 小児 1〜1.5mEq/kg (患者の体にあわせて5%ブドウ糖中に適切な量を希釈) を,1時間あたり 0.5mEq/kgを越えない速度で投与し,モニタリングで用量調 節   Bジギタリス中毒による不整脈に用いる薬物     リドカイン,プロカインアミド,プロプラノロール,フェニトイン 【副作用と処置】DJ UD   @減OR休:食欲不振,悪心・嘔吐(延髄中枢刺激),胃下部痛,異常な疲労感・脱 力感(電解質不均衡の可能性),異常に遅い,か不規則な心拍(小児の場合は速 い心拍となることがある)   A中止:過敏症 【禁忌】 DJ @房室ブロック,洞房ブロックのある患者   Aジギタリス中毒,閉塞性肥大型心筋疾患(特発性肥大性大動脈弁下狭窄等)のあ る患者 【相互作用】 DJ 本剤↑:K排泄型利尿剤(チアジド系利尿剤,エタクリン酸,クロルタリドン,フ ロセミド等),Ca剤,レセルピン系薬剤,アトロピン系薬剤,交感神経 刺激剤,甲状腺製剤,キニジン,Ca拮抗剤 UD β遮断剤(注意深く監視することにより,ジギタリスの引き起こす急激な 不整脈にβ遮断剤の使用が制限されるわけではない) 【佐薬(理由)】 【注意すべき臨床検査】 【臨床検査値への影響】 【体内薬物動態】 BH F(経口):約75   (%),血漿中結合:20〜25   (%)   CL:    (ml/min/kg),Vd:6〜10   (liters/kg)   t1/2:30〜51    (hr),有効血中濃度:0.8〜2 (ng/ml) #1 population parameters:    1-Comp.Model 平均値         標準偏差値   CL(ml/min) 心不全 + 0.06 x CLcr + 0.05 x WT  50%,CV - 0.053x CLcr + 0.05 x WT  50%,CV Vd(L)      +/- 3.12 x CLcr + 3.84 x WT  20%,CV 【メモ】   @以上のデータはジゴキシンのものである   Aジギトキシンは現在ではほとんど使用されていない 【参考文献】 #1 Sheiner et. al.,J. Pharmacokin. Biopharm., 5, 445(1977)