■■■ パーキンソン病治療薬服薬指導 【疾患名】MP パーキンソン病(Parkinsonism) 【有病率】MP 0.05% 【好発層】MP 50〜60才代 【予後】MP 進行性,不良 【概要と成因】 NP ドパミン欠乏状態.黒質線条体ドパミンニューロンの変性.薬物乱用者でMPTP がニューロンを死滅させ本症が発現した例がある.   ドパミン作用の低下により相対的にコリン作用が現れる. 類似性疾患として血管性障害,薬物(特に抗精神病薬)によるパーキンソン症候あ り. 【分類と症状】 HI 随意運動の緩慢(無動) 筋固縮 安静時振戦 歩行障害 Hoehn and Yahr の分類     ステージ T 片側のみ障害     ステージ U 両側障害,体位は正常     ステージ V 両側障害,体位の軽度異常,独立生活可能     ステージ W 両側障害,体位行為不能,介助要     ステージ X 重篤,完成型,ベッドと椅子生活 【治療薬物の分類と特徴】 NP 〈症状〉 〈薬の選択〉    〈特徴〉   初期症状 @抗コリン作用薬  振戦のある若年者        Aアマンタジン   振戦以外の症状に有効   中期症状 Bレボドパ     @Aが無効の時 @,A,や        Cレボドパ+DCI ブロモクリプチンと併用すること                  もある   晩期症状  レボドパ     ドーパ誘発性ジスキネジアが現れ                  た場合休薬         レボドパ+DCI    〃        Dブロモクリプチン ドパミン受容体アゴニスト,最初                  著効するがレボドパとの併用効果                  は長く続かない        Eアマンタジン   ドパミン放出 レボドパと併用        Fデプレニル           レボドパと併用        Gドロキシドパ   無動症 すくみ現象に著効 【禁忌の薬(理由)】 IR @ハロペリドール(ドパミン受容体遮断による錐体外路症状増悪)   AビタミンB6(DOPA脱炭酸補酵素でありドパミンを減少させる)   Bアセチルコリン(コリン作動性神経興奮により症状悪化)   Cエチルホスホン酸エチルパラニトロフェニル(コリンエステラーゼ阻害作用) MP D一部の患者にコリン作用拮抗薬(進展した痴呆はコリン作用性ニューロンと関連 ) 【合併症と対策】 CP @便秘 →繊維質の食べ物,水,を摂取.緩下剤も有効   A目の渇き →人工涙液 抗コリン剤を減らす   B不眠 →ジフェンヒドラミンが有効 【生活指導】 MP @外傷を避ける.    A自活,社会的関心,生きがい,手指の機能訓練,体操,発声練習 【薬物療法以外の特記すべき治療法】 MP 視床に対する定位脳手術を薬物療法後に考慮 【疾病に対する注意すべき臨床検査】 JL @Mn(血中 3.5μg/100g,尿中 6.3μg/Lより高値の場合あり) LM A入眠潜時の延長,全睡眠時間の短縮,中途覚醒(REM睡眠 nonREM睡眠) 【疾病に関する用語】 NP @DCI(末梢性芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害薬)   AMPTP(メチルフェニルテトラピリジン)   Bジスキネジア(不随意運動)  Cwearing-off 現象(L-DOPA長期投与後の効果持続時間短縮,薬効の切れる 頃に動きが悪くなる)   Don-off現象(急激に良い状態と悪い時期が繰り返し現れる)   Eup and down 現象(症状の改善と増悪に日内変動がおこる)   Fすくみ現象 【メモ】 【参考文献】