●●● 治療薬剤@:MP 硝酸薬   【一般名(商)】 DJ ニトログリセリン(DI ニトログリセリン錠,ニトロダームTTSテープ,ニトロ ペン錠,バソレーター軟膏,ヘルツァー,ミリスロール) 【用法・用量】 DJ 規格:ニトログリセリン,ニトロペン 錠 0.3mg      ニトロダームTTS 貼付剤 25mg バソレーター 軟膏 6mg/cm      ヘルツァー テープ型貼付剤 5mg   ミリスロール 注射 0.05%, 10ml, 100ml   舌下用:0.3〜0.6mg 投与後数分間で効果の現れない場合,更に0.3〜0.6mg追加( 増減) 極量1日2mg   経皮用:(軟膏)1回1〜3cm(6〜18mg)1日3回,初回量1cm(6mg),原則 として4時間ごとに前回の分をふき取って1cmずつ増量していき ,狭心発作を抑制し,かつ頭痛を起こさない量を最適用量とし, 夜間に狭心発作のある場合は更に就寝前に1回追加(増減)       (テープ)1回1枚(5mg)1日2回,12時間ごとに胸部上腹部,背部, 上腕部又は大腿部のいずれかに貼付(増減(貼付剤)1日1回 1枚(25mg),胸部,腰部,上腕部のいずれかに貼付 効果不 十分の場合は2枚に増量 【作用機序】 NP すべての平滑筋(血管平滑筋)を弛緩させる    →冠血流量はむしろ低下,後負荷低下,前負荷の軽減    →心臓の仕事量の減少 【服薬指導】  〔舌下錠〕 UD @口腔粘膜を通して吸収されたほうが効果が速やかにあらわれるので錠剤をかんだ り,砕いたり,飲み込んだりしないこと   A錠剤を含んでいる間は飲食,喫煙を避けること   B発作の胸痛の緩解に用いているとき:    ・発作が起こり始めたと感じたら直ちに腰かけること そして舌下で溶解するこ と 腰掛けていてもめまいや失神が起こったと きはひざの間に頭を埋めて前 かがみになること    ・1〜5分のうちに効果をあらわすが,軽減しないときは,さらに1錠舌下に含 む    ・それでも胸痛が5分以上続くときは3錠目を服用する    ・まだ15分以上続くときは,ただちに医師を呼ぶか救急部に行く   C保管:    ・綿栓は取り出し,もとにもどしてはならない    ・使用後はその都度ただちにきちんとふたをすること    ・錠剤はふたにとり,手のひらにおかないこと    ・常に身近におくが,身体に密着させないこと   D数週間にわたり,定期的に服用しているとき,急に服用を中止しないこと   Eアルコール飲料を飲むまえに,医師の診察をうけること   F服用後おこる頭痛は一時的なもので,よくある 【投与時・剤形変更時の注意(理由)】 CD (ニトログリセリン錠)衝撃に対して不安定であり,爆発を起こす揮散性を有し, 温度・光に対して不安定 粉砕は不可 【飲み忘れや過量投与後の処置法と注意】 UD @次の服用時間まで2時間以上あるときは,できる限り早く服用し,以後は通常通 り   A2回分服用してはいけない 【副作用と処置】  〔舌下用〕 DJ Cその他:循環器系(脳貧血,血圧低下,熱感,紅潮,心悸亢進,めまい),精 神神経系(頭痛,失神),消化器(悪心,嘔吐),発汗,尿失禁,便失 禁  〔経皮用〕 DJ @中止:(貼付剤)アレルギー性接触皮膚炎,全身発疹等の過敏症   Cその他:循環器系,精神・神経系,消化器系    (軟 膏)発疹,接触性皮膚炎     (テープ)かゆみ,発赤,皮膚刺激感,かぶれ,発疹,口渇,全身倦怠感    (貼付剤)一次刺激性の接触皮膚炎,かぶれ,びらん,耳鳴,頚部硬直感,疲労 感,倦怠感,発汗,尿失禁,便失禁 UD A要診:皮疹,めまい,ふらつき,失神,顔面・頚部の紅潮,頭痛,悪心,嘔吐, 頻脈,情動不安 【禁忌】  〔舌下用〕 DJ @緑内障のある患者   A頭部外傷又は脳出血のある患者(頭蓋内圧を上昇させる)   B著しい貧血のある患者   C硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者  〔経皮用〕 DJ @(軟膏・テープ)重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者    (貼付剤)重篤な低血圧のある患者   A(軟膏)緑内障のある患者    (テープ・貼付剤)閉塞隅角緑内障のある患者   B頭部外傷又は脳出血のある患者(頭蓋内圧を上昇させる)   C著しい貧血のある患者   D硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者 【相互作用】 DJ @本剤↑:(舌下用,軟膏,テープ) 飲酒により血管拡張作用が増強され血圧低下をおこす        (貼付剤)他の血管拡張剤,Ca拮抗剤,ACE阻害剤,β遮断剤,利 尿剤,降圧剤,三環系抗うつ剤,メジャートランキライザー との併用又は飲酒により血圧低下作用が増強        (経皮用)他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤との併用により,頭痛 血 圧低下が増強   A本剤↓:(貼付剤)アスピリン及びその他の非ステロイド性抗炎症剤 MP B本剤↑:飲酒,または利尿剤あるいは他の血管拡張剤との併用により,血圧低下 が増強   C他剤↑:パンクロニウム(ミオブロックの神経遮断効果を延長) 【佐薬】MP 記載なし  【注意すべき臨床検査】DJ 記載なし 【臨床検査値への影響】DJ 記載なし 【体内薬物動態】 GG F(経口):38±26   (%),血漿中結合:      (%)   CL:230±90  (ml/min/kg),Vd:3.3±1.2  (liters/kg)   t1/2:2.3±0.6   (min),有効血中濃度:1.2〜11 (ng/ml)   population parameters: 【メモ】 DJ @妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので,妊婦又は妊娠している可能 性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にだけ投与 する  〔舌下用〕   A本剤使用中に,耐薬性を生じ,作用が減弱することがある   B遮光・20℃以下保存  〔軟膏〕   C投与量が多すぎると頭痛をおこすことがあるので,起こさない最大量まで減量す る  〔テープ〕減量するか,使用を中止する  〔貼付剤〕頭痛のために注意力,集中力,反射運動能力等の低下が起こることがある ので,危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する  〔軟膏・テープ〕   D急に中止した場合,冠不全が悪化することがあるので,徐々に減らす  〔貼付剤〕他剤との併用の下で休薬を行う  〔経皮用〕   E重篤な血圧低下が起こった場合は,薬剤を除去し,適切な処置を行う  〔注射〕   F塩化ビニル製の輸液セットに吸着されるので,ガラス製,ポリエチレン製又はポ リプロピレン製の輸液容器を使用する 【参考文献】