●●● 治療薬剤@:麻薬性鎮痛薬 【一般名(商)】DJ モルヒネ 【用法・用量】 DJ 規格:錠(徐放)10mg 原末 注 10mg/1mlA   @錠:1日20〜60mg(2〜6錠)を分2 初回量は10mgが望ましい   A末:1回5〜10mg 1日15mg   B注:1回5〜10mgを皮下注  また,麻酔の補助として静脈内に注射することもあ る   極量:1回20mg,1日60mg(経口) 1日30mg(皮下) 【作用機序】 NP @脳内オピオイドμ受容体を介する鎮痛作用   A脊髄レベル:脊髄後角への下行性抑制系の起始部と親和→脊髄後角への下行性抑 制系の活動亢進→痛覚情報伝達抑制   B視床:線状体から視床髄板内核への抑制系の活動↑→間接作用     視床ニューロンへの直接作用による抑制   C大脳皮質:疼痛感受野の閾値上昇   〈臨床作用〉 DJ @中枢神経系に対する作用    運動中枢や知覚にほとんど影響を及ぼさない用量で,痛覚を低下させ,また呼吸 及び咳嗽中枢を強く抑制し,さらにより大量では催眠作用をあらわす. これらの作用により鎮痛,鎮静,鎮咳の目的に用いられる.   A消化管に対する作用    消化管の平滑筋を収縮させ,胃及び腸管の運動を抑制し,また胃液,胆汁,膵液 の分泌を減少させ,また肛門括約筋の緊張を高める. これらの作用により強い止瀉をもたらす. NP B急性肺水腫や急性左室不全に伴う呼吸困難を劇的に改善させる.   C心血管作用:動静脈の緊張を低下させ心臓負荷を軽減させ肺うっ血や浮腫を減少 させる. 【服薬指導】 UD @医師の診察を受けないうちに使用を急にやめない→禁断症状の防止   A過量投与の症状が発現した場合はただちに救急病院を受診 【投与時・剤形変更時の注意(理由)】 DJ @薬物依存に注意   A禁断症状に注意:あくび,くしゃみ,流涙,発汗,悪心,嘔吐,下痢,腹痛,散 瞳,頭痛,不眠,不安,譫妄,振戦,全身の筋肉・関節痛,呼吸促迫等 【飲み忘れや過量投与後の処置法と注意】 UD 過量投与後の処置法    催吐または胃洗浄(経口投与された場合のみ),気道の確保と人工呼吸装置によ る適切な呼吸管理,オピオイド拮抗剤ナロキソンの投与(10μg〔0.01mg〕/kg または400μg〔0.4mg〕を1回量とし静注する)の3点からなる.必要に応じて ,点滴,昇圧剤,その他の補助手段を用いる. 【副作用と処置】 DJ @その他:呼吸・循環器系→呼吸抑制,不整脈,血圧変動等の症状        呼吸抑制→モルヒネ拮抗剤(ナロキソン等)の使用   Aその他:精神神経系→眠気,めまい,不安等   Bその他:消化器系→悪心,嘔吐,便秘等   C中止:過敏症 【禁忌】 DJ @重篤な呼吸抑制のある患者   A気管支喘息発作中の患者   B重篤な肝障害のある患者   C慢性肺疾患に続発する心不全の患者   D痙れん状態にある患者   E急性アルコール中毒の患者   Fアヘンアルカロイドに対し過敏症の患者 【相互作用】 DJ @本剤↑:アルコール   A本剤↑:フェノチアジン誘導体   B本剤↑:バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤   C本剤↑:吸入麻酔剤   D本剤↑:モノアミン酸化酵素阻害剤   E本剤↑:三環系抗うつ剤   F本剤↑:β遮断剤 【佐薬(理由)】 【注意すべき臨床検査】 【臨床検査値への影響】 【体内薬物動態】 GG F(経口):20〜33   (%),血漿中結合:35±2   (%)   CL:15±2   (ml/min/kg),Vd:3.3±0.9  (liters/kg)   t1/2:3.0±1.2    (hr),有効血中濃度:    (ng/ml)   population parameters: 【メモ】   @心筋梗塞時には注射を使用   A末・注射は塩酸塩で,錠は硫酸塩 【参考文献】