■■■ 副甲状腺機能低下症治療薬服薬指導 【疾患名】MP 副甲状腺機能低下症(CP Hypoparathyroidism) 【有病率】MP HI 記載なし 【好発層】MP HI 記載なし 【予後】MP HI 記載なし 【概要と成因】 MP 副甲状腺ホルモン(PTH)作用の発現が不十分であるために,低Ca血症,高P 血症などの異常がもたらされる状態 CS PTHの作用が障害される結果,腎における1α25(0H)2D3の合成が低下し,腸管か らのCa吸収が低下すること,骨からのCaの放出が減少すること,又腎尿細管か らのCaの再吸収の減少が起こり,低Ca血症が起こる.又 尿細管からのPの再 吸収の亢進によって高P血症が起こる 【分類と症状】 MP 〈分類〉   1.PTH分泌不全    @特発性副甲状腺機能低下症(IHP)    A続発性副甲状腺機能低下症  a.術後性  b.副甲状腺組織の障害  c.低Mg血症   2.偽性副甲状腺機能低下症(PHP)    @PHP-T型     a.Ta型     b.Tb型    APHP-U型   3.偽性特発性副甲状腺機能低下症  〈症状〉   共通の症状・徴候のほとんどは低Ca血症に伴うもの   精神・神経系  精神神経症(情緒不安定など) 錯乱 傾眠    昏迷昏睡 てんかん発作 精神薄弱 しびれ感   神経・筋肉系  テタニ−(Chvostek徴候 Trousseau徴候)   循環器系    心不全 心電図異常(QTc延長)   その他     歯牙発育不全 など 【治療薬剤の分類と特徴】 MP PTHの補充は現在注射薬としてしか得られない.血清Caを維持するのは不可能 であり,いずれの病型においても,活性型ビタミンD製剤の服用が治療の原則であ る   @アルファカルシド−ル(アルファロール ワンアルファ)   Aカルシトリオール(ロカルトロ−ル)   Bジヒドロタキステロ−ル(ハイテイクロ−ル) 【禁忌の薬(理由)】 IR P含有製剤:ハイカリック,トリパレン,アクチット         (低Ca血症の症状を悪化) 【合併症と対策】 MP @脊柱靭帯骨化症→発症早期から活性型ビタミンDによる治療を開始する(疾患自 体に伴う合併症)   A高Ca尿症(腎結石)→サイアザイド系利尿剤の投与(特に、血清Ca値が低い が、高Ca尿症のため活性型ビタミンDの増量が困難なIHPの場合)   B高Ca血症→腎機能障害→副腎皮質ステロイド (prednisolon)の投与 ## (ABは主に治療に伴う合併症) 【生活指導】 【薬物以外の特記すべき治療法】  【疾病に対する注意すべき臨床検査】 MP Ellsworth-Howard試験(病型鑑別)→MP参照   血清Ca(8.5-10.2mg/dl)   尿中Ca(300mg/日以下)   腎機能検査(血清BUN・クレアチニン測定)   Ca/クレアチニン比(0.3以下) 【疾病に関する用語】 MD 上皮小体ホルモン→副甲状腺ホルモン 【参考文献】 【メモ】   副甲状腺機能低下症におけるビタミンD及びCa補充療法による高Ca尿症(腎結 石)→サイアザイド系利尿剤の投与(長期治療における併用療法)→HI MP参照 【参考文献】