■■■ 肝硬変治療薬服薬指導 【疾患名】MP 肝硬変(MD Cirrhosis) 【有病率】MP 約0.2〜0.3% 【好発層】MP 記載なし 【予後】 MP 肝硬変の死因としては肝性昏睡,消化管出血,肝癌が主なものであるが,最近では 消化管出血,肝癌死亡が増加している.肝硬変の5年生存率は50〜60%といわれて いるが,代償期のまま長期生存する場合も多い. 【概要と成因】 MP 慢性肝疾患の終末像であり,組織学,形態学的な立場から見た肝小葉の改築と偽小 葉の形成.成因は各国で異なるが欧米ではアルコール,東南アジア,中国ではB型 肝炎ウイルスであり,わが国ではC型肝炎ウイルスが大半を占める. 【分類と症状】 MP −慢性肝炎 −アルコール性肝疾患    ↓  〈肝硬変〉   @門脈圧亢進     1.脾腫−汎血球減少→貧血,易感染性,出血傾向    2.食道静脈瘤   →静脈瘤破裂    3.肝内外シャント →脳症,DIC   A肝機能低下    1.解毒,排泄低下 →脳症,黄疸    2.代謝異常    →貧血,糖尿病,ホルモン異常    3.生成低下    →凝固因子低下による出血傾向,低蛋白による腹水・浮腫, 低コレステロール 【治療薬剤の分類と特徴】 MP 〈肝庇護剤〉    @プロヘパール    Aポリエンフォスファチジルコリン(EPL)    Bマロチラート(カンテック)    Cウルソデスオキシコール酸(ウルソ)    Dチオプロニン(チオラ)    Eメチルメチオニンスルフォニウムクロリド(キャベジンU)    Fアデホス    G小柴胡湯   〈肝性脳症治療剤〉    Hラクツロース    IアミノレバンEN    Jカナマイシン   〈腹水・浮腫対策〉    Kフロセミド(ラシックス)    Lスピロノラクトン(アルダクトンA) 【禁忌の薬(理由)】 IR @トリアムテレン・クロフェナミド(肝性昏睡を誘発)   Aメチルドパ(肝機能異常)   Bグリチルリチン酸・DL-メチオニン(DL-メチオニンの分解過程でアンモニウ ム生成→血清アンモニウム値上昇) 【合併症と対策】 MP @腹水・浮腫→減塩,利尿剤   A消化管出血→H2レセプター拮抗剤,粘膜保護剤   B肝性脳症 →肝性脳症治療剤(ラクツロース),低タンパク食   C静脈瘤出血→硬化療法による止血(エタノールアミンオレエート),静脈瘤の治 療   D糖尿病  →食事療法 【生活指導】 MP 食事療法では必要なタンパク,カロリーとバランスのとれた食事 【薬物療法以外の特記すべき治療法】   肝移植 【疾病に対する注意すべき臨床検査】 JL @GOT,GPTの上昇   Aアルカリホスファターゼ,ビリルビンの上昇   Bアルブミン,血漿フィブリノーゲン低下   Cプロトロンビン時間の延長 【疾病に関する用語】 【メモ】  アルコール性肝硬変でHCV抗体陽性者が有意に多いという報告有り(モダンメディ シン 1990-5) 【参考文献】