●●● 治療薬剤@:MP 糖質コルチコイド:ハイドロコルチゾン 【一般名(商)】DJ ヒドロコルチゾン(DI コートリル,ソルコーテフ,サクシゾン) 【用法・用量】 DJ 規格:錠 10mg,      注(ソルコーテフ)100,500mg,注(サクシゾン)100,300mg   内服:1日10〜120mg 分1〜4 UD    1日20〜240mg 1回又は分割      小児1日0.56mg/Kg 又は 16mg/u 1回又は分割    (小児用量は年齢や体重よりも病状の重症度や反応性をみて決める) DJ 注射:1回50〜100mg 1日1〜4回 筋肉内      緊急時1回 100〜200mg UD    1回100〜500mg 2〜6時間毎に繰り返す 筋肉内あるいは静脈内投与      小児 筋肉内:1日0.56mg/kg または 16mg/uを分3で3日目毎に繰り返す             あるいは1日1回 0.186〜0.28mg/kg 又は 5.33〜8mg/u投与 【作用機序】 MP @アジソン病における鉱質コルチコイドの補充   A選択的低アルドステロン症における鉱質コルチコイドの補充 【服薬指導】 UD @薬剤説明 副腎皮質ホルモン剤であり,健康を維持するのに必要なコルチゾール が体内で産生されているが,体内で十分に産生されない時その不足分を補充する ために処方されている.   A内服:本剤で胃障害を起こすことがある. 何か食べること.       胃障害,胸やけ,胃痛が続く場合→要診   B内服:本剤服用中は,禁酒すること.   C定期的に症状の経過を診察してもらうこと.   D医師の診断を受けないで使用を中止しないこと.   E本剤長期服用の場合は,低塩食またはカリウム含有食品をとるように指示するこ とがある. F手術,救急治療,重篤な感染症や傷を受けた時,医師に伝えること. 【投与時・剤形変更時の注意(理由)】 DJ @ストレスを避け,事故,手術等の場合には増量する.   A連用後,投与を急に中止すると離脱状態(発熱,頭痛,脱力感,ショック等)が あらわれることがあるので,中止する場合は徐々に減量するなど慎重に行うこと . 離脱症状があらわれた時は直ちに再投与又は増量すること.   B注射:溶解後24時間以内に使用すること. UD @ヒドロコルチゾンは糖質コルチコイド活性が高く,鉱質コルチコイド活性は中程 度である. CD @粉砕時,bioavailability に注意. 【飲み忘れや過量投与後の処置法と注意】 UD @飲み忘れた時 隔日服用の場合:服用日の朝のうちに気づいた時はできる限り早く服用し,以後 通常服用. それ以後に気づいた時は翌日まで待ち,1日とばして服用を再開すること. 1日1回服用の場合:できる限り早く服用し,以後通常服用. 翌日まで気づかなかった時は,忘れた分はぬき,次回2回分服用しないこと. 1日数回服用の場合:できる限り早く服用し,以後通常服用. 次回まで気づかなかった時は,忘れた分はぬき,次回2回分服用しないこと. 【副作用と処置】 DJ @中止:過敏症   A要診:連用により眼圧亢進→眼圧検査   Bその他:感染症,内分泌系,消化器,精神神経系,筋・骨格系,脂肪・タンパク 質代謝,体液・電解質,眼,血液,皮膚過敏症,その他→DJ参照 UD @要診(症状が続いたり重症の場合):消化器障害,多幸感,食欲増進,神経過敏 ,情動不安,睡眠障害,体重増加 【禁 忌】 DJ @本剤過敏   A注射:感染症のある関節腔内または腱周囲   B注射:動揺関節の関節腔内(筋肉の蛋白分解促進作用,肉芽形成抑制作用により 動揺関節の回復が遅延する) 【相互作用】 DJ @本剤↓:バルビツール酸誘導体,フェニトイン(本剤の代謝促進) A他剤↓:抗凝血剤,経口糖尿病用剤   B他剤↑:カリウム保持性利尿剤を除く利尿剤(低カリウム血症があらわれる)   Cその他:本剤を減量した時サリチル酸中毒(本剤はSAの排泄促進) D副腎皮質ホルモン投与中の患者にワクチン(種痘等)を接種して神経障害,抗体 反応の欠如が起きたという報告がある.   E注射:他の副腎皮質ホルモンの大量投与により,併用したシクロスポリンの血中 濃度上昇の報告がある. 【佐 薬】   @抗潰瘍剤 【注意すべき臨床検査】 DJ @眼圧検査 【臨床検査値への影響】 【体内薬物動態】 BH F: (%),血漿中結合:95 (%)   CL: (ml/min/kg),Vd:約0.3 (liters/kg)   t1/2:1.3〜2(hr),有効血中濃度: (μg/ml)   population parameters: 【メ モ】 DJ @妊婦:動物実験で催奇形作用の報告がある.新生児には副腎不全をおこすことが ある.   A授乳婦:母乳移行が認められているので,投与中は授乳を避ける B小児:小児の発育抑制が現れることがある. 長期投与した場合,頭蓋内圧亢進症状が現れることがある. 注射→投与部位の組織の萎縮(陥没)をおこしやすいので注意. UD @副腎皮質ホルモンは胎盤を通過する. CS @下垂体副腎系の回復は副腎皮質ホルモンを内因性コルチゾールの日内変動にほぼ 一致して投与した時に早い.   (コルチゾールの分泌は朝多く,夕少ない.そこで1日投与量の2/3を朝,1/3を 夕刻に投与し,減量する場合は夕刻から中止しるとよい) 【参考文献】