====== 医薬品副作用情報 No.130(厚生省薬務局) =======
これは、医薬品副作用情報 No.130(厚生省薬務局)を基にMS−DOS
テキスト用に日薬で入力したものです。出来る限り原報に近づけるよう配慮した
つもりですが、図表など原報と形式が異なるところもあります。是非、原報でご
確認の上ご利用下さい。
日本薬剤師会
[情報の概要] =============================
1.テルフェナジンと心臓血管系症状
医 薬 品:テルフェナジン
対 策 :使用上の注意の改訂、症例の紹介
情報の概要:アレルギー性疾患用剤テルフェナジンの投与によるQT延長、心室性不
整脈等の心臓血管系症状の発現については、すでに「使用上の注意」に
記載し、本情報でこれまでにも外国での発現についてと、国内での2例
の症例について情報提供し注意を喚起してきた。しかし、これまでの2
例を含め計9例の心臓血管系症状の報告があり、直接的な関連は不明な
ものの、うち1例は不整脈回復2日後に死亡している。また、症例のな
かにすでに併用することが禁忌とされている抗真菌剤(イトラコナゾー
ル)が投与されていた例がある。以上の点から本剤による重篤な心臓血
管系症状の発現と、併用してはならない薬剤、また、肝障害患者、高齢
者等投与にあたり考慮しなければならない注意点について、新たに「警
告」を設け厳重な注意を喚起することとした。
2.エポエチンアルファ、エポエチンベータとショック
医 薬 品:エポエチンアルファ、エポエチンベータ
対 策 :使用上の注意の改訂、症例の紹介
情報の概要:エポエチンα、βの投与後にショックを起こした症例が4例報告されて
いる。報告された症例は透析施行中、自己血貯血の採血後など血圧低下
などの症状を起こしやすい状況の例もあるが、いずれもエポエチンの投
与後に血圧低下、チアノーゼ、意識喪失、冷汗等を発現しており、薬剤
との関係は否定できない。本剤の投与にあたっては、事前に問診を十分
に行い、また、投与中・投与後は患者の状態をよく観察し、異常が認め
られた場合には投与を中止し、必要に応じて昇圧剤の投与等の適切な処
置を行う必要がある。
3.オキサトミドと膀胱炎様症状
医 薬 品:オキサトミド
対 策 :使用上の注意の改訂、症例の紹介
情報の概要:抗アレルギー疾患用剤オキサトミドの投与後に排尿痛、残尿感、血尿等
の膀胱炎様症状を発現した症例が3例報告されている。類薬でこれまで
にトラニラスト、フマル酸ケトチフェンによる報告があり、今回報告さ
れた症例もこれまでの薬剤と同様の経過を示している。薬剤の投与後に
排尿痛、血尿、残尿感等の膀胱炎様症状を発現し、中止により回復して
いる。同時に併用されている薬剤のある症例もあるが、いずれの症例も
本剤の投与中止後に症状が回復しており本剤と膀胱炎様症状発現の関係
は否定できない。今回の報告症例は4〜10歳と小児の報告で、これま
での抗アレルギー疾患用剤による膀胱炎様症状の発現症例も小児におけ
る報告が多い。これらの薬剤投与中に排尿痛、血尿、残尿感等があらわ
れた場合には薬剤起因性膀胱炎の可能性を考え、使用薬剤を中止し経過
を観察するなど適切な処置をとることが必要である。
4.使用上の注意の改訂について(その90)−(本文省略)
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