====== 医薬品副作用情報 No.129(厚生省薬務局) =======

 

これは、医薬品副作用情報 No.129(厚生省薬務局)を基にMS−DOS

テキスト用に日薬で入力したものです。出来る限り原報に近づけるよう配慮した

つもりですが、図表など原報と形式が異なるところもあります。是非、原報でご

確認の上ご利用下さい。

                              日本薬剤師会

 

[情報の概要] =============================

 

1.アカルボースと腸閉塞様症状、低血糖

医 薬 品:アカルボース

対  策 :使用上の注意の改訂、症例の紹介

情報の概要:インスリン非依存型糖尿病における食後過血糖の改善に用いられるアカ

      ルボースの投与により腸閉塞様症状を発現した症例が6例報告されてい

      る。アカルボース投与により腸内ガス等が増加し、放屁増加、腹部膨満・

      鼓腸等が起こることは薬理作用上やむを得ない症状と考えられるが、今

      回報告された腸閉塞様症状はそれらの症状が重症化したものである。報

      告例の中には開腹手術を行った例もあることから、本剤の投与にあたっ

      ては放屁増加、腹部膨満・鼓腸等があらわれることに留意し、腸閉塞様

      症状があらわれた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う必要

      がある。

 

2.塩酸プロピベリンと緑内障発作

医 薬 品:塩酸プロピベリン

対  策 :使用上の注意の改訂、症例の紹介

情報の概要:尿失禁・頻尿治療薬である塩酸プロピベリンの投与により緑内障発作が

      発現したとする症例が3例報告されている。本剤は抗コリン作用を有す

      ることから急性緑内障発作を惹起する可能性があり、薬剤との関係は否

      定できない。報告された3例はいずれも女性で73〜88歳と高齢者で

      あった。本剤は高齢者に投与されることが多い薬剤であることから、投

      与にあたっては、慎重な観察が必要である。また、眼痛や視力障害等の

      異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う必要がある。

 

3.ベザフィブラートと横紋筋融解症

医 薬 品:ベザフィブラート

対  策 :使用上の注意の改訂、症例の紹介

情報の概要:フィブラート系高脂血症用剤であるベザフィブラートの投与により全身・

      局所の筋肉痛やCPK上昇を特徴とする横紋筋融解症の発現が多数報告

      されている。本剤の投与による横紋筋融解症の発現については本情報

      No.112(平成4年1月号)で既に情報提供し注意を喚起していた

      が、報告症例の中に、本来投与禁忌である重篤な腎機能障害のある患者

      への投与症例が多いことから、ベザフィブラートの投与にあたっての注

      意について改めて注意を喚起することとした。本剤の投与に際しては、

      腎機能障害の有無に十分注意し、血清クレアチニンが2.5mg/dl

      を超える重篤な腎機能障害例、特に慢性腎不全患者や透析患者等には投

      与してはならない。また、腎機能障害を有する患者以外の例でも、本剤

      の投与後に横紋筋融解症が疑われる症状があらわれた場合には、直ちに

      本剤の投与を中止し適切な処置を行う必要がある。横紋筋融解症は急性

      腎不全となることが多いため、水分の負荷など利尿に努め、急性腎不全

      例では必要に応じて血液透析等の実施も考慮する必要がある。

 

4.使用上の注意の改訂について(その89)−(本文省略)