UMIN臨床試験登録システム
UMIN Clinical Trials Registry (UMIN-CTR)

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ver1.0 掲載日: 2005.2.25

UMIN 臨床試験登録システム (UMIN-CTR) について


臨床試験登録システムの現状

1. 海外の状況

 臨床試験の登録を受け付けている登録システムは、海外には数多く存在しています。これらのシステムを運営する機関は、政府、製薬や出版関連の営利企業、学術団体など様々であり、そのため登録情報の利用目的や登録対象とする臨床試験の種類、登録に必要としている情報、運営の方針などもそれぞれに異なっています。


2. 日本の状況

 海外における上記のような状況の中、日本国内には臨床試験を登録するシステムがこれまで存在していませんでした。2004年9月の医学雑誌編集者国際委員会 (International Committee of Medical Journal Editors:ICMJE)およびBritish Medical Journal (BMJ)の声明を読まれた複数の研究者からご意見を頂いたことに端を発して、臨床試験登録の問題に強い関心をお持ちの研究者によるワーキンググループを立ち上げました。UMINのサービスの一環として臨床試験登録システムを運営することについて、2004年10月22日の第1回会合より継続して検討を重ねてきました。(1)多くの研究者の方に関連し、広く使っていただけるシステムと考えられること、(2)ICMJEおよびBMJの声明において、臨床試験登録システムは公的機関が運営し、少なくとも情報は無料で閲覧できるという条件が示されていること、などから、臨床試験登録システムの運営はUMINの特性に合致し、UMINとして積極的に提供すべきサービスであるとの結論に至りました。ワーキンググループでは、UMIN-CTRに求められるポリシーから基本的な仕様に至るまで、幅広く検討しています。この検討結果を基に、2005年2月2日に「UMIN 臨床試験登録システムシンポジウム」を開催し、UMIN-CTRの概要をご紹介しました。そこで頂いたご意見や、その後パブリックコメントとして頂いたご意見を参考に、現在、試用版を提供すべくシステムの開発を進めています。おそらく、UMIN-CTRは、日本における最初の臨床試験登録システムとなると考えられます。
 ところで、すでに海外に多くの臨床試験登録システムが存在する中で、日本においてこれからシステムを立ち上げることの意義がどこにあるのでしょうか。臨床試験登録制度は世界的な動きであり、海外の研究者、医療関連の行政機関、医学雑誌編集者なども日本の臨床試験に対して関心を持つであろうことから、包括的に情報が取り出せる必要性を考えると、日本で運営するシステムであっても基本言語は英語にならざるを得ないと考えています。しかし、国内を振り返って見ると、臨床試験登録システムの一方の大切な利用者である日本人の患者さんや一般の方々が、日本語で情報が取り出せることも必要です。したがって、日本において日本語も扱える臨床試験登録システムの存在は、重要です。また、上述のように、海外にすでに存在する臨床試験登録システムは、受付ける臨床試験の種類が限定されているものも多く、登録する際に、自分の臨床試験の登録が受付けてもらえるのかの確認が必要です。しかし、UMIN-CTRでは、臨床試験の種類や対象疾患を限定することなく受付けますので、上記のような確認は不要となります。


UMIN-CTRの特徴

 UMIN-CTRの特徴は以下のようにまとめられるでしょう。

1. なぜUMIN-CTRが必要か

 UMIN-CTR設立は、次のような意義があると考えています。
  (1)臨床試験を行う研究者の要望に応えること
  (2)世界的論調との協調
 - 出版バイアスの防止
 - 倫理的義務
 - 臨床試験参加者募集の促進
  (3)日本語も扱える臨床試験登録システムの必要性

2. UMIN-CTRはどの種類の臨床試験を受付けるか

 原則として、すべての臨床試験を受け付けます。ただし、試験の性質(製薬企業などが行う臨床試験、特に、治験か否か)により、結果的に登録される試験の種類が異なってくると考えられます。
 いずれにしても、企業などを含む、臨床試験を実施するすべての方からの登録を歓迎します。
  (1)一般的臨床試験
 原則として、すべての臨床試験の登録を受付けます。ランダム化していない臨床試験、単群試験 (one arm trial)、 PK/PD試験なども受付けます。
(「原則的」としているのは、一部の試験において、設定を予定しているデータ項目にあてはめて登録することが難しいものがあると考えているためです。そのような場合でも対応を検討しますので、ご相談ください。)
  (2)製薬企業などが行う臨床試験
 開発中、市販後を問わず、すべての臨床試験の登録を受付けます。
医薬品の治験においては、臨床試験登録に関する国際製薬団体連合会 (International Federation of Pharmaceutical manufacturers & Associations:IFPMA )日本製薬工業協会(製薬協)の方針(「治験情報の登録と開示に関する共同指針」)が表明されていますので、登録の申請があるとすれば、それに準じた種類の試験となると考えています。

3. UMIN-CTRに誰が登録するか

 試験の性質(製薬企業などが行う臨床試験か否か)により異なると考えています。
  (1)一般の臨床試験
 責任研究者(その臨床試験について取りまとめる責任がある立場の研究者)
  (2)製薬企業などが行う臨床試験
 試験実施依頼者である製薬企業など

4. UMIN-CTRにいつ登録するか(UMIN-CTRはいつまでに登録を要請するか)

 ICMJEとBMJの声明に沿って、2005年7月1日より前か後かで、区切って考えます。
  (1)2005年7月1日以降に登録が始まる試験
 最初の参加者の登録前
  (2)2005年6月30日までに登録が始まる試験
 可能な限り早く (2005年9月13日前が望ましい)

5. 試験のID番号はどうするか

 UMIN-CTRは独自の試験IDを発行する予定です。
 しかし、臨床試験登録制度に関して調整を行っているWHOとも協議する計画です。

6. UMIN-CTRに試験のどの情報を登録するか

 試験の性質(製薬企業などが行う臨床試験か否か)により異なると考えています。
  (1)一般の臨床試験
 - ICMJEのポリシーに準拠した項目
 - 追加項目(日本の臨床試験のレベル向上および日本の臨床試験の現状の分析を目的とした項目)
 (試験実施計画書および調査票の提供の必要性は検討中)
  (2)製薬企業などが行う臨床試験
 「治験情報の登録と開示に関する共同指針」に準じた情報を提供頂けることでよいと考えています。
 (システムとして設定を予定しているすべてのデータ項目に関する情報を提供頂くことも歓迎します)

7. UMIN-CTRに登録した情報(臨床試験そのものに関する情報)をいつ公開するか

 試験の性質(製薬企業などが行う臨床試験か否か)により異なると考えています。
  (1)一般の臨床試験
 原則として登録されたデータの内容が、登録者により確認された後
 (登録者の希望する期日から公開するオプションを設定することを検討中)
  (2)製薬企業などが行う臨床試験(治験など)
 「治験情報の登録と開示に関する共同指針」に準じた対応を考えています。          

8. UMIN-CTRに登録された情報はどのように正確性が確認されるか

 次の方法で確認を行います。
  (1)入力時の自動データチェック(可能な項目)
  (2)登録者の目視による確認

 UMINセンターで、登録された情報の正確性まで確認することは、正直なところ困難です。そのため、登録前に登録者ご自身で可能な限り確認をお願いしたいと思います。  また、次の項で触れるように、定期的に情報を更新して頂くことも、情報の正確性を高めるために重要だと考えます。

9. いつUMIN-CTRに登録した情報の更新を行うか

 定期的に更新するのが望ましい(原則として1回/6ヶ月)と考えています。情報の最終更新日と更新履歴の閲覧ができるようにする予定です。

10. 試験終了時に何を公開するか(UMIN-CTRは何の公開を要請するか)

 試験の性質(製薬企業などが行う臨床試験か否か)により異なると考えています。
  (1)一般の臨床試験
 原則としてすべての試験における
  - 結果公表の状況(未公表か否か)
  - 結果が公表された場合、論文の書誌情報
  (2)製薬企業などが行う臨床試験
 「治験情報の登録と開示に関する共同指針」に準じた対応を考えています。          

11. UMIN-CTRの位置付け

  (1)国立大学組織の一部であるUMIN(公的機関)により運営される
  (2)情報の提供および検索は無料
  (3)日本におけるone-stop search portal を目指す
  (4)海外からの登録も受け付ける
  (5)基本言語を英語とし、日本人への情報公開の目的で、日本語の付記を求める

12. UMIN-CTRは登録遵守のための方策としてどのような方法を考えているか

 実際的には非常に難しい問題と考えており、現状では実効性のある方策はありません。
 倫理審査委員会 (Institutional Review Board:IRB) や臨床試験を助成する団体が関与し、審査した臨床試験が確実に臨床試験登録を行っているかどうかを確認したり、臨床試験登録を行っていないと助成が受けられないような仕組みができることが望ましいと考えていますが、すぐには、実現困難と考えられます。継続的な検討課題であると思います。

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