【番号】     0162  大分類     工業用品  タイトル    エチレングリコール  分類番号    X101  小分類     エチレングリコール  性状・成分   *   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     中枢神経抑制作用          代謝物のシュウ酸による低カルシウム血症          代謝性アシドーシス  体内動態    *          吸収     経口では速やかに吸収されるが、経皮や肺からの                 吸収はない                 摂取後1〜4時間で最高血中濃度に達する          分布     水溶性が高く、全身に分布          代謝・排泄  1mg/kg投与で20%が未変化体で排泄                 1%以下がシュウ酸に代謝          半減期    3〜5時間(血中エタノール濃度100〜200mg/dlでは                 17時間に延長)          蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     ヒト推定経口致死量 1.4ml/kg          ヒト中毒発現血中濃度 50mg/dl           (240,400,1500,2000mlの摂取で生存例あり)  死因      *  その他     *   【症状の概要】  初期(12時間以内):中枢神経抑制、嘔気、嘔吐、アシドーシス、                    意識障害、痙攣、ときに眼振、眼筋麻痺、                    重篤時には脳浮腫、テタニー          中期(12〜24時間):頻脈、過呼吸、中等度の血圧上昇、                    重篤時にはうっ血性心不全、ショック          後期(24〜72時間):不可逆性の腎障害、乏尿、急性尿細管壊死、                    腎不全、まれに骨髄抑制          異常を示す検査値:ECG上QT延長、CPKの上昇、                   乳酸アシドーシス、低カルシウム血症、                   浸透圧gapの上昇(10mOsm)、                   尿中にシュウ酸カルシウムの結晶  中枢神経    中枢神経抑制、意識障害、脳浮腫、痙攣  瞳孔      *  呼吸器     過呼吸  循環器     血圧上昇、うっ血性心不全、ショック、頻脈  消化器     嘔気、嘔吐  電解質・代謝  アシドーシス  肝       *  腎・泌尿器   不可逆性の腎障害、乏尿、急性尿細管壊死、腎不全  体温      *  皮膚      *  神経・筋    テタニー、眼筋麻痺  血液      骨髄抑制  その他     *   【治療の概要】  早期の胃洗浄、呼吸管理、アシドーシスおよび電解質バランスの          補正          拮抗剤としてのエタノール投与          血中エチレングリコールおよび代謝物の除去に血液透析有効  全身管理    *  催吐      *  胃洗浄     摂取後数時間以内なら有効  吸着剤     無効  下剤      無効  強制利尿    *  血液浄化法   血液透析:なるべく早期に行う          開始基準・・血中エチレングリコール濃度が50mg/dl以上、                または代謝性アシドーシスが高度で、結晶尿が                見られる場合          中止基準・・血中エチレングリコール濃度が10mg/dl以下  拮抗剤・解毒剤 1.エタノール(グリコールからシュウ酸への代謝阻害)を投与する           投与量はエタノールの血中濃度・・100mg〜200mg/dl以上に           保つように投与する          2.ピリドキシン50mg、チアミン100mgを1日4回、           2日間筋注(代謝物を無毒化する)  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      *  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引   【参考症例】   *