【番号】     0010  大分類     殺虫剤  タイトル    ホウ酸(ゴキブリ団子)  分類番号    S051  小分類     ゴキブリ駆除剤 殺蟻剤          ゴキブリ団子 アリメフ アルタンドンドン(コダマ商事)          黒アリ退治(ホウ砂、ナガオカKK) コギブロン(0.88g/個)          ゴキカブリ(0.38g/個) インピレス置くだけ(0.45g/個)          ゴキキライ(3.3g/個) ゴキタロウ(4.8g/個)           ゴキチール(5.3%) ゴキブリキャップ(7g/個)           ゴキブリキャンデー(0.4g/個) ゴキブリコロリ(3.75g/個)           ゴキサールS(大東ケミカル) ゴキブリ0110番           ゴキブリコロリ(エスエス) ゴキブリ天虫殺 ゴキブリフィード  性状・成分   ホウ酸団子のホウ酸含量:低濃度のもので15%前後                      高濃度のもので50%以上のものがある。 【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     細胞毒性(特に尿細管上皮に顕著)と中枢神経抑制作用  体内動態          吸収     健康な皮膚からも吸収されるが消化管、粘膜、                 傷のある皮膚からとくに吸収される。          分布     脳、肝、腎に分布          代謝・排泄  12時間以内に50%が尿中に排泄されるが、                 80〜100%排泄には、5〜7日以上かかる          半減期    12時間          蛋白結合   *  中毒量     中毒発現量:成人 1〜3g  致死量     経口推定致死量:乳児2〜3g 幼児5〜6g 成人15〜20g  死因      脱水、循環不全、ショック、尿細管壊死が死亡(発症後5日目位)          原因となりうる  その他     *   【症状の概要】  少量摂取では比較的軽い症状ですむことが多い。          しかし、小児では1g以上摂取時は慎重に対応する。          吸収は速いが、症状発現までに数時間かかることがあり、          消化器症状ではじまる  中枢神経    頭痛 不穏 脱力感 痙攣 昏眠(中枢神経の抑制を伴う)  瞳孔      *  呼吸器     過呼吸 Cheyne−Stokes呼吸から呼吸停止をきたすことあり  循環器     低血圧 ショック チアノーゼ  消化器     悪心 嘔吐 下痢 激しい腹痛 出血性胃腸炎 青緑色の便  電解質・代謝  代謝性アシドーシス  肝       まれに肝障害(黄疸 肝腫)  腎・泌尿器   しばしば腎障害 尿細管壊死により乏尿、蛋白尿から無尿をきたす  体温      通常は低体温だが発熱することあり  皮膚      猩紅熱様の発疹          皮膚・粘膜の表皮落屑(発疹部位のみでなく、口唇周囲、肛門周囲          、口腔粘膜にもおこる)  神経・筋    脱力 倦怠感 痙攣  血液      *  その他     エリテマトーデス様の紅斑(手掌、足底、臀部、陰嚢に多く          見られるが外耳道や咽頭にもおよぶことあり)、3〜5日目に落屑   【治療の概要】  1.誤嚥に十分注意して、催吐・胃洗浄のあと吸着剤と塩類下剤の           投与          2.対症療法:痙攣対策、電解質バランスの維持、呼吸・循環管理  全身管理    ショック、痙攣に対する対症療法  催吐      *  胃洗浄     施行する  吸着剤     活性炭(1g/kg→水100〜200ml)等を投与          (30gの活性炭はホウ酸1gの38%しか吸着せず余り効果ないとの          報告もある)  下剤      MgSO4(0.5g/kg→水100〜200ml)、マクロゴール5ml/kg、          ソルビトール液5ml/kgを投与  強制利尿    腎障害のため不可  血液浄化法   1.重症:血液透析、腹膜潅流(小児は後者を第一選択)          2.血液透析(腹膜透析)は、血中濃度の65%を減少させたとの           報告あり。           腎障害や従来の治療法で回復しない電解質バランスの異常に           有効との報告あり。          3.DHP:有効性に関しては不明  拮抗剤・解毒剤 なし  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      *  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引          急性中毒情報ファイル          救急中毒ケースブック   【参考症例】   *