【番号】     0114  大分類     その他の家庭用品  タイトル    ベンジン  分類番号    Q152  小分類     ベンジン  性状・成分   主成分:n−ヘプタンとn−ヘキサン          その他:ベンゼン、トルエン、キシレンを各々数%          沸点:35〜80℃(石油残留物)          用途:懐炉や石油ライターの燃料、溶媒やしみ抜き剤   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     粘膜刺激作用          中枢神経抑制作用(麻酔作用)            脂肪族炭化水素・・反射の低下、意識障害            芳香族炭化水素・・反射の亢進、不穏、振戦、意識障害          心臓障害作用(心筋障害および伝導障害による不整脈)  体内動態    *          吸収     *          分布     *          代謝・排泄  *          半減期    *          蛋白結合   *  中毒量     ベンジン:小児経口致死量 10〜15g               ヒト推定致死量 0.5〜5g/kg               ヒト吸入推定致死量 約4ml          ベンゼン:ラット経口LD50 6.0ml/kg          トルエン:ラット経口LD50 7.7ml/kg          キシレン:ラット経口LD50 4.9ml/kg  致死量     *  死因      *  その他     *   【症状の概要】  経口:口腔・咽喉・胃部の灼熱感、嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、             血便、中枢神経抑制症状             誤嚥による肺合併症          吸入:めまい、酩酊様症状、皮膚冷汗、口渇、顔面紅潮、振戦、             呼吸困難、脈拍微弱、瞳孔散大、精神錯乱、昏睡  中枢神経    中枢神経抑制作用、めまい、酩酊様症状、振戦、精神錯乱、昏睡  瞳孔      瞳孔散大  呼吸器     誤嚥による肺合併症、呼吸困難  循環器     心室性期外収縮の多発  消化器     *  電解質・代謝  *  肝       *  腎・泌尿器   *  体温      *  皮膚      *  神経・筋    *  血液      *  その他     *   【治療の概要】  1.無症状の患者で6時間観察後、胸部X線に異常のない場合は           処置不要          2.初診時無症状でX線に異常がなくても6時間経過観察中に症状が           進んだり、大量に摂取した患者は入院加療          3.流動パラフィン30〜100ml投与(吸収を遅らせる)          4.呼吸管理、対症療法          5.必要検査項目:胸部X線・・異常は30分から60分で発現。                        数日間で正常になるが、数カ月                        以上かかることもあり                  心電図・・・心室細動、不整脈                  動脈血ガス・・PaO2の低下                  血液・・・・白血球増加が48時間後に発現する                        ことあり。                        トランスアミラーゼの上昇  全身管理    *  催吐      *  胃洗浄     大量摂取時にカフ付きチューブ(誤嚥を防ぐため)を使用して施行  吸着剤     活性炭投与  下剤      硫酸マグネシウム、またはマグコロール  強制利尿    *  血液浄化法   *  拮抗剤・解毒剤 *  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      エピネフリン(心室細動や不整脈を誘発)は禁忌          催吐は禁忌          原則として胃洗浄は禁忌  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒情報ファイル          急性中毒処置の手引   【参考症例】   *