【番号】     0109  大分類     その他の家庭用品  タイトル    消火剤(ハロゲン系消火剤:四塩化炭素系)  分類番号    Q082  小分類     四塩化炭素系消火剤  性状・成分   主成分:四塩化炭素(石油、電気火災など特殊火災に使用)   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     四塩化炭素:粘膜刺激作用、中枢神経抑制作用、肝障害、腎障害  体内動態              吸収     肺、消化管、皮膚から吸収される          分布     体脂肪組織、肝、骨髄に蓄積されやすい          代謝・排泄  体内ではほとんど代謝されない                 吸収された四塩化炭素の50〜80%が肺から                 未変化体で排泄                 完全に排泄されるためには約5日間を要す          半減期    *          蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     四塩化炭素:吸入・・ヒト最小中毒濃度 20ppm                    ヒト最小致死濃度 1000〜5000ppm・5分                経口・・ヒト最小致死量 43mg/kg                    ヒト最小致死量 3〜5ml            四塩化炭素は高温で有毒なホスゲンを発生する            (一般に赤熱した鉄板、焼木材などに四塩化炭素噴射時、             ホスゲン 10〜100ppm生成される)          ホスゲン:吸入・・ヒト最小致死量 25ppm・30分  死因      *  その他     *   【症状の概要】  四塩化炭素による症状  中枢神経    頭痛、めまい、錯乱、傾眠、ときに痙攣、視覚障害  瞳孔      *  呼吸器     呼吸抑制  循環器     心室性期外収縮、心室細動  消化器     悪心、嘔吐、腹痛、とくに経口時には下痢、吐血  電解質・代謝  *  肝       黄疸、肝腫大、肝障害  腎・泌尿器   乏尿ないし無尿、蛋白尿、腎障害  体温      *  皮膚      *  神経・筋    *  血液      *  その他     眼・鼻・のどの刺激症状   【治療の概要】  経口時:胃洗浄、吸着剤、下剤の投与          吸入時:呼吸管理(酸素吸入、人工呼吸)              ビタミンE 300〜600mg経口投与          その他、対症療法  全身管理    *  催吐      *  胃洗浄     *  吸着剤     *  下剤      *  強制利尿    *  血液浄化法   *  拮抗剤・解毒剤 *  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      四塩化炭素中毒の治療ではカテコールアミンの使用は心室細動を          誘発する危険性があるため避ける          牛乳、脂肪食投与は四塩化炭素の吸収を促進するため避ける  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引          家庭用化学薬品の知識   【参考症例】   消火中に発生ガスを吸入した成人男性が意識を失い手足のしびれ、          呼吸困難がみられ1週間後に回復した