【番号】     0098  大分類     車用品  タイトル    不凍液・クーラント  分類番号    K081  小分類     不凍液 クーラント  性状・成分   主成分:エチレングリコール(高級品は95%、中級品は80%含有)          国内製品にはメタノール含有製品はほとんどないが外国製品には          メタノール含有するものあり   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     中枢神経抑制作用、代謝物のシュウ酸による低カルシウム血症          代謝性アシドーシス  体内動態    *          吸収     内服では速やかに吸収され、摂取後1〜4時間で                 最高血中濃度に達する          分布     全身へ分布          代謝・排泄  1mg/kg投与で、20%が未変化体でとして尿中へ                 排泄、1%以下が肝でシュウ酸に代謝される          半減期    3〜5時間(血中エタノール濃度100〜200mg/dl                 では17時間に延長)          蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     エチレングリコール:ヒト経口推定致死量 1.4ml/kg                    ヒト中毒発現血中濃度 50mg/dl                    (240,400,1500,2000ml服用で生存例あり)  死因      *  その他     *   【症状の概要】  初期(12時間以内):中枢神経抑制                    嘔気、嘔吐、アシドーシス、意識障害、                    痙攣、ときに眼振、眼筋麻痺、重篤時には                    脳浮腫、テタニー          中期(12〜24時間):頻脈、過呼吸、中等度の血圧上昇、                    重篤時にはうっ血性心不全、ショック          後期(24〜72時間):不可逆性の腎障害、乏尿、急性尿細管壊死、                    腎不全、まれに骨髄抑制          異常を示す検査値:ECG上QT延長、CPKの上昇、乳酸アシドーシス                   、低カルシウム血症、浸透圧qapの上昇(10mOsm)                   、尿中にシュウ酸カルシウムの結晶  中枢神経    中枢神経抑制、意識障害、痙攣、脳浮腫  瞳孔      *  呼吸器     過呼吸  循環器     頻脈、中等度の血圧上昇、重篤時にはうっ血性心不全、ショック  消化器     *  電解質・代謝  *  肝       *  腎・泌尿器   不可逆性の腎障害、乏尿、急性尿細管壊死、腎不全、少量でも連続          摂取により無尿  体温      *  皮膚      *  神経・筋    *  血液      骨髄抑制  その他     *   【治療の概要】  早期の胃洗浄、呼吸管理、アシドーシスおよび電解質バランスの補正          拮抗剤としてのエタノールの投与  全身管理    *  催吐      *  胃洗浄     摂取後数時間以内なら有効  吸着剤     無効  下剤      無効  強制利尿    *  血液浄化法   血中エチレングリコールおよび代謝物の除去に血液透析有効          血液透析:なるべく早期に行う          開始基準・・血中エチレングリコール濃度が50mg/dl以上、または                代謝性アシドーシスが高度で結晶尿がみられる場合          中止基準・・血中エチレングリコール濃度が10mg/dl以下  拮抗剤・解毒剤 エタノール(グリコールからシュウ酸への代謝阻害)、          有効エタノール血中濃度:100〜200mg/dl          ピリドキシン50mg、チアミン100mgを1日4回、2日間筋注          (代謝物を無毒化する)  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      *  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引          急性中毒情報ファイル   【参考症例】   *