【番号】     0097  大分類     車用品  タイトル    霜取り剤(氷結防止剤、解氷剤)  分類番号    K071  小分類     霜取り剤  性状・成分   エチレングリコール、イソプロピルアルコールがそれぞれ25%          程度、防錆剤を少量、噴射ガスとしてLPG50%(エタノール、          メタノール含有の製品もある)   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     *  体内動態    *          吸収     イソプロピルアルコール:経口より速やかに                   吸収される。                 メタノール:血中濃度のピークは、30〜60分                   (ただし服用後18〜24時間は無症状)                 エチレングリコール:経口より速やかに吸収される          分布     イソプロピルアルコール:分布容量 0.6L/kg                 メタノール:分布容量 0.6L/kg          代謝・排泄  イソプロピルアルコール:10〜20%が未変化体で                   呼気、尿中に排泄。                   80〜90%は肝臓で二酸化炭素と水に代謝。                   一部はグルクロン酸抱合をうけ尿中に排泄                 メタノール:服用量の3〜5%が尿中へ、吸収量の                   12%以下が呼気中に未変化体で排泄。                   その他は代謝されてホルムアルデヒドから                   蟻酸になる                 エチレングリコール:1mg/kg投与で20%が                   未変化体で排泄。                   1%以下がシュウ酸に代謝          半減期    イソプロピルアルコール 45分          蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     イソプロピルアルコール:ヒト経口推定致死量 240ml          エチレングリコール:ヒト経口推定致死量 1.4ml/kg(約100ml)          メタノール:ヒト経口致死量 30〜100ml                ヒト経口失明惹起量 10ml  死因      *  その他     *   【症状の概要】  症状の発現に12時間くらいかかることがある          イソプロピルアルコール:            低血圧、ショック、呼吸不全、中枢神経抑制作用、            重症例では深昏睡、反射消失            エタノールと相違して初期の興奮はみられない            悪心、嘔吐、出血性胃炎、軽度の肝障害、            ケトーシス(アシドーシスは伴わないことが多い)、体温低下            皮膚接触・・皮膚炎            異常を示す検査・・尿糖を伴わないアセトン尿                     (ケトーシス・・アシドーシスを伴わない                      ことが多い)。                     イソプロピルアルコールとアセトンの                     血中濃度          エチレングリコール:            中枢神経抑制、痙攣、ときに眼筋麻痺            重症例では脳浮腫、テタニー            頻脈、うっ血性心不全、不可逆性の腎障害、まれに骨髄抑制            異常を示す検査・・低カルシウム血症、乳酸アシドーシス、                     浸透圧gapの上昇(10mOsm)          メタノール:            視力障害、呼吸困難、急性膵炎、代謝性アシドーシス            重症例では末期に脳浮腫、徐脈から心停止、呼吸停止            異常を示す検査・・重篤な代謝性アシドーシス  中枢神経    中枢神経抑制作用、深昏睡、痙攣、脳浮腫  瞳孔      *  呼吸器     呼吸不全、呼吸困難、呼吸停止  循環器     低血圧、ショック、頻脈、うっ血性心不全、徐脈から心停止  消化器     *  電解質・代謝  *  肝       *  腎・泌尿器   *  体温      体温低下  皮膚      *  神経・筋    *  血液      *  その他     *   【治療の概要】  基本的処置            早期に胃洗浄、吸着剤と下剤の投与          対症療法  全身管理    *  催吐      *  胃洗浄     *  吸着剤     *  下剤      *  強制利尿    イソプロピルアルコールは強制利尿無効  血液浄化法   重症例には、早期に血液透析          血液透析:中止の目安・・血中濃度がメタノールで30mg/dl以下、                      エチレングリコールで10mg/dl以下  拮抗剤・解毒剤 エチレングリコール:ピリドキシン50mg、チアミン100mg筋注、                    1日4回2日間投与(代謝物の無毒化)          メタノール:葉酸50〜70mg、4時間毎に静注(排泄促進)          特異的治療            エタノール投与(メタノールおよびエチレングリコールの            拮抗剤)・・血中濃度を100〜200mg/dlに維持  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      *  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引   【参考症例】   *