【番号】     0094  大分類     車用品  タイトル    ブレーキオイル  分類番号    K041  小分類     ブレーキオイル  性状・成分   主成分:エチレングリコール(95%%含有)          その他:プロピレングリコール、他のグリコール類   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     中枢神経抑制作用、代謝物のシュウ酸による低カルシウム血症          代謝性アシドーシス  体内動態    *          吸収     経口では速やかに吸収され、摂取後1〜4時間で                 最高血中濃度に達する          分布     *          代謝・排泄  1mg/kg投与で、20%が未変化体で排泄、                 1%以下がシュウ酸に代謝          半減期    3〜5時間(血中エタノール濃度100〜200mg/dl                 では17時間に延長)          蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     エチレングリコール:ヒト経口推定致死量 1.4ml/kg (約100ml)                    (240,400,1500,2000ml服用で生存例あり)          プロピレングリコール:ラット経口LD50 21〜32.2g/kg  死因      *  その他     *   【症状の概要】  初期(12時間以内):中枢神経抑制                    嘔気、嘔吐、アシドーシス、意識障害、                    痙攣、ときに眼振、眼筋麻痺、重篤時には                    脳浮腫、テタニー          中期(12〜24時間):頻脈、過呼吸、中等度の血圧上昇、                    重篤時にはうっ血性心不全、ショック          後期(24〜72時間):不可逆性に腎障害、乏尿、急性尿細管壊死、                    腎不全、まれに骨髄抑制          異常を示す検査値 :QT延長(心電図)、CPKの上昇、                    乳酸アシドーシス、低カルシウム血症、                    浸透圧gapの上昇(10mOsm)                   、尿中にシュウ酸カルシウムの結晶  中枢神経    意識障害、痙攣、脳浮腫  瞳孔      *  呼吸器     過呼吸  循環器     頻脈、中等度の血圧上昇、重篤時にはうっ血性心不全、ショック  消化器     *  電解質・代謝  アシドーシス  肝       *  腎・泌尿器   不可逆性に腎障害、乏尿、急性尿細管壊死、腎不全  体温      *  皮膚      *  神経・筋    *  血液      骨髄抑制  その他     *   【治療の概要】  早期の胃洗浄、呼吸管理、アシドーシスおよび電解質バランスの補正    全身管理    *  催吐      *  胃洗浄     摂取後数時間以内なら有効  吸着剤     無効  下剤      無効  強制利尿    *  血液浄化法   血中エチレングリコールおよび代謝物の除去に血液透析は有効          (なるべく早期に行う)          開始基準・・血中エチレングリコール濃度が50mg/dl以上、または                代謝性アシドーシスが高度で結晶尿がみられる場合          中止基準・・血中エチレングリコール濃度が10mg/dl以下  拮抗剤・解毒剤 エタノール(エタノールの血中濃度・・100mg〜200mg/dl以上と          なる量を投与)  その他     ピリドキシン50mg、チアミン100mgを1日4回、2日間筋注          (代謝物を無毒化する)   【その他一般】  *  禁忌      *  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引   【参考症例】   *