【番号】  0188  大分類    食品 タイトル  毒きのこ(ドクササコ)  分類番号    I181  小分類  ドクササコ ヤブシメジ ヤケドタケ  性状・成分   acromelic acidA,acromelic acidB clitidine,clitidineのamide誘導体 clithioneine          ★毒成分は水溶性,100℃の熱に安定 【作用の概要】  * 薬理作用    アクロメリン酸:脳脊髄にある興奮性グルタミン酸レセプタ-のカイニン酸型のも          のを刺激 毒作用     血管収縮 末梢神経変性 軸索変性を主体とする多発性末梢神経障害,副交感神経機能亢進状態 (白川ら)  体内動態    *  吸収 *  分布 *  代謝・排泄  *          半減期    *  蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     clitidine : マウス腹腔内 LD50 50〜100mg/kg amide誘導体:マウス腹腔内 LD50 16mg/kg ドクササコ10%抽出液皮下注射致死量        アカガエル 40ml/kg   マウス 30ml/kg モルモット 40ml/kg ラット 200ml/kg      ウサギ 200ml/kg以上投与しても死亡しない    死因      *  その他     * 【症状の概要】  潜伏期:6時間〜数日 6〜10日:疼痛ピ−ク 30〜50日:疼痛消失 90〜100日:手足を暖めると、しびれ感が持続することがある  中枢神経    * 瞳孔      異物感 縮瞳  呼吸器     *  循環器     * 消化器  胃の存在感 悪心 嘔吐  電解質・代謝  *  肝       *  腎・泌尿器   *  体温      *  皮膚      *  神経・筋    しびれ感・灼熱感(四肢末端 耳介 顔面中央部 外陰部 腹部)          発赤 腫脹 疼痛(暖めると増強し、冷やすと改善)                 歯をかむとチャリチャリした感じ  錯覚感 異常 異常感覚 触覚・          痛覚の鈍麻 深部反射亢進   血液      *  その他     全身倦怠感 【治療の概要】  疼痛対策:局所麻酔薬による硬膜外神経ブロックが有効  硬膜外腔にモルヒネを投与 補助療法:ニコチン酸とATPの点滴静注 (それぞれ30mgから開始し、毎日10mgずつ増量し、最高 150mgまで、症状が消失・軽減するまで続ける) ビタミンB12の投与 アトロピン0.5mgずつ筋注1日2〜3回投与 セファランチン30mgを1日2回点滴静注投与 四肢を冷水,氷水に浸す(疼痛緩和)  全身管理    * 催吐  ドクササコの摂取後,短時間であれば施行  胃洗浄     ドクササコの摂取後,短時間であれば施行  吸着剤  活性炭の投与:摂取後短時間であれば施行 下剤  摂取後,短時間であれば施行 強制利尿    *  血液浄化法  血液潅流または血液透析→毒成分の除去に有効          例.3時間実施し、発赤消失、3回の施行で歩行可能となった  拮抗剤・解毒剤 * その他  * 【その他一般】  *  禁忌      四肢を温めること→疼痛の増強  合併症の処置  *  その他     * 【参考文献】   月刊薬事 Vol.28,No.10(1986) 【参考症例】   34歳,女性(重症例)         ドクササコ入り味噌汁1日2杯,3日間にわたり食す。 摂取初日3日後:指・趾の関節に熱感を伴う疼痛     6日後:疼痛が強くなり、歩行困難    10日後:疼痛部に一致した浮腫,腫脹 ★疼痛に対する処置…四肢を冷水に浸す         硬膜外神経ブロック(リドカイン)で軽減。         アスピリン、ペンタゾシンは無効 約60日間の入院治療で症状消失         4ヶ月後まで四肢を温めるとしびれ感出現         後遺症なし。  26歳,女性(軽症例)         ドクササコ3個入り味噌汁を食す。 摂取4日後:指の先端だけしびれる,疼痛なし。 3週間後:しびれ感消失 後遺症なし