【番号】  0187  大分類    食品 タイトル  毒キノコ(ツキヨタケ毒素群)  分類番号    I171  小分類  ツキヨタケ イッポンシメジ カキシメジ マツシメジ           クサウラベニタケ  性状・成分   イルジンS イルジンM 不明   シイタケやムキタケと似ている。但しヒダに発光性あり 【作用の概要】  * 薬理作用    消化管出血性炎症惹起作用 毒作用 *  体内動態    *  吸収 *  分布 *  代謝・排泄  *          半減期    *  蛋白結合   *  中毒量     イルジンS マウス腹腔内 LD50 50mg/kg  致死量     死亡は稀  死因      *  その他     * 【症状の概要】  食後数時間(30分〜3時間)で発症 発症頻度多い コレラ型:突然の嘔吐と下痢で始まる 腹痛に続きコレラ様の白色水様性の下痢便になる (血便になることもある) 中毒は徐々に現れ経過が長いのが特徴 特に小児や老人では少量の誤食でも危険性はある 1〜2日以内に完治  中枢神経    色彩幻覚(ものがすべて青く見える) 瞳孔      *  呼吸器     *  循環器     循環不全 心筋障害 血管運動神経中枢障害 低血圧 脈拍微弱 消化器  嘔吐 流涎 腹痛 下痢(白色水様性)  電解質・代謝  低K血症 脱水  肝       肝障害  腎・泌尿器   腎障害  体温      低体温  皮膚      *  神経・筋    *  血液      *  その他     * 【治療の概要】  重症例には血液潅流が有効  激しい下痢がみられるため,下剤の投与は一般に行わない  全身管理    水分・電解質の補給 催吐  直後であれば、催吐する  胃洗浄     ○  吸着剤  活性炭(40〜60g→水200ml) 下剤  × 強制利尿    *  血液浄化法  重症例には血液潅流(DHP)が有効  拮抗剤・解毒剤 * その他  輸液(脱水,電解質異常の補正)          対症療法 【その他一般】  *  禁忌      *  合併症の処置  *  その他     * 【参考文献】   急性中毒情報ファイル          大橋教良ら:月刊薬事 vol.33, No.10: 212〜214,1991. 【参考症例】    60歳,女性:アレルギー鼻炎,高血圧症          平成元年10月28日12時30分,山で採取したきのこ(ツキヨタケ)を炒          めものにし,3切れ食した。          14時頃鼻水,冷汗出現し腹痛,軟便があったため受診。          受診時,顔面蒼白,悪心,嘔吐,腹痛,鼻水冷汗などが認められた。          催吐により症状は軽快。外来処置のみで帰宅。          その後4〜5日間は胃部不快感が持続したが,肝および腎機能に異常は          なかった。          (宮崎県北郷郡第一診療所内科 横山永子先生症例)