【番号】     0090  大分類     食品  タイトル    コーヒー、紅茶  分類番号    I051  小分類     コーヒー 紅茶  性状・成分   紅茶(カフェイン:カップ1杯に30〜60mg、タンニン酸)          コーヒー(カフェイン:1〜2%)   【作用の概要】  *  薬理作用    1.ノルエピネフリンの合成・遊離を刺激          2.脳皮質、延髄、脊髄を刺激          3.心筋を刺激し心拍出量を増加、冠動脈を拡張          4.呼吸数増加作用、気管支拡張作用  毒作用     *  体内動態    *          吸収     カフェインは胃腸管から吸収されやすく、                 最高血中濃度は45分〜2時間で到達する。                 2カップの濃いコーヒー摂取後1時間で、                 血中濃度5.3μg/mlという報告あり          分布     吸収後速やかに体液中に分布(分布容量:1L/kg)                 乳汁中にも分泌          代謝・排泄  テオプロミン、テオフィリン、パラキサンチンに                 肝臓で代謝され、10%が未変化体として尿中に排泄          半減期    成人・・3.0〜7.5時間、                 5カ月から6カ月までの幼児・・2.6時間                 アルコール性肝障害患者や妊婦では半減期が延長          蛋白結合   *  中毒量     成人中毒症状発現量 約0.5〜1g(コーヒー10杯)、          成人中毒症状発現血中濃度 30μg/ml          小児経口重篤症状発現量 80〜100mg/kg  致死量     ヒト経口致死量 3〜10g          小児経口致死量 5.3g          ラット静注LD50 105mg/kg  死因      *  その他     *   【症状の概要】  *  中枢神経    興奮、痙攣、脳浮腫、反弓緊張、上方偏視、          硬直(ことに小児で来たしやすい)  瞳孔      *  呼吸器     *  循環器     頻脈、不整脈、血圧降下、循環不全(血圧は摂取後30分以内に          上昇し、2時間後がピークとなる)  消化器     嘔気、嘔吐、腹痛、吐血、紅茶の大量摂取で胃腸障害  電解質・代謝  水分、電解質の喪失から低ナトリウム血症、高血糖  肝       *  腎・泌尿器   *  体温      *  皮膚      *  神経・筋    反弓緊張  血液      *  その他     *   【治療の概要】  1.大量の場合は胃洗浄、活性炭と下剤の投与(基本的処置)、           呼吸管理、循環管理          2.痙攣による死亡があるので痙攣対策、電解質補正等の対症療法  全身管理    *  催吐      *  胃洗浄     カフェインとして15mg/kg以上摂取し、4時間以内であれば          催吐か胃洗浄  吸着剤     *  下剤      *  強制利尿    余り有効ではない  血液浄化法   血液透析の有効性を示す成書はないが、小児の重篤な中毒で          樹脂カラムによる血液吸着や交換輸血が有効であったという          報告あり  拮抗剤・解毒剤 なし  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      *  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引   【参考症例】   *