【番号】     0055  大分類     乾燥剤類  タイトル    生石灰(酸化カルシウム)  分類番号    H021  小分類     キングドライ スーパードライ ハイドライ ピッカー ライム  性状・成分   白色の粉末状あるいは塊   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     1.発熱およびアルカリによる粘膜腐食作用          2.内服した場合消化管粘膜や組織内の水分と反応して強く発熱する          3.長時間使用されていた生石灰は、水分を徐々に吸収し、大部分は           消石灰(水酸化カルシウム)あるいは炭酸カルシウムに変化して           いるため毒性が低い。  体内動態    *          吸収     消化管粘膜や組織内の水分と反応して強く発熱し、                 水酸化カルシウムを生成する。                 水酸化カルシウムは腸管吸収されにくい          分布     *          代謝・排泄  *          半減期    *          蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     成人経口致死量 10g  死因      *  その他     *   【症状の概要】  *  中枢神経    *  瞳孔      *  呼吸器     *  循環器     *  消化器     経口:口唇、口腔、咽頭、食道、胃など直接触れた局所のびらん             浮腫 疼痛 ときに嚥下困難。重篤な場合は食道狭窄  電解質・代謝  *  肝       *  腎・泌尿器   *  体温      *  皮膚      化学熱傷性の発赤 疼痛 水泡形成  神経・筋    *  血液      *  その他     眼:粉末固着による結膜・角膜の激痛 浮腫 潰瘍   【治療の概要】  経口:摂取後1時間以内であれば、牛乳、卵白、粘膜保護剤             (アルロイドG、マーロックスなど)を頻回投与する。             消化管びらん、潰瘍、瘢痕狭窄に対してはステロイド療法             (プレドニゾロン1〜2mg/kgまたはデキサメサゾン0.1mg/kg/             日)を3週間を限度に実施。             3週間以後に食道狭窄がみられた場合にはブジー挿入などの             拡張法、外科的処置          眼:結膜円蓋内かpH試験紙で中性になるまで洗浄。対症療法          皮膚:洗浄および対症療法  全身管理    *  催吐      禁忌(消化管との再接触によって腐蝕を増強させるため)  胃洗浄     胃洗浄を行うときは、気管支内流入に注意して行う  吸着剤     活性炭の投与は、嘔吐を誘発させるため禁忌  下剤      *  強制利尿    *  血液浄化法   *  拮抗剤・解毒剤 弱酸性液による中和は、一般に中和効果がほとんどなく、          発熱反応を誘発すると考えられるため禁忌  その他     アルカリによる化学熱傷は、通常、速やかに起こるので、処置は          速いほど効果が大きい。          内視鏡検査は最初の24時間以内に実施すべきであるとされ、          壊死形成期でも、穿孔を覚悟しても実施すべきといわれている。   【その他一般】  せんべいや海苔の乾燥剤として、また、最近では日本酒や弁当の          加温用としても大量に使用されている。          幼児にとっては最も危険なものの一つである。  禁忌      *  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引   【参考症例】   *