【番号】     0078  大分類     文具  タイトル    インク消し  分類番号    F171  小分類     インク消し  性状・成分   第1液 5%シュウ酸溶液          第2液 次亜塩素酸ナトリウム液   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     シュウ酸:粘膜腐食作用、低カルシウム血症、循環系障害、腎障害          次亜塩素酸ナトリウム:粘膜腐食作用  体内動態    シュウ酸 吸収:服用量の約2〜5%が吸収される               排泄:腎排泄は服用後約4時間がピークで、高濃度の                  ものは14時間で終了          次亜塩素酸ナトリウム:胃液などの酸性液中では塩素と非イオン型                     の次亜塩素酸として存在するため胃粘膜                     より吸収されやすい。                     ただし次亜塩素酸やその塩は、タンパクや                     その他の組織成分により不活化されるため                     吸収されて循環系に達することはほとんど                     ない          吸収     *          分布     *          代謝・排泄  *          半減期    *          蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     シュウ酸:成人経口致死量 15〜30g          次亜塩素酸ナトリウム:幼児経口致死量 5%液で15〜30ml  死因      *  その他     *   【症状の概要】  シュウ酸中毒(致死量摂取では急速に悪化し数時間以内に死亡)  中枢神経    シュウ酸:腱反射増加、うとうと状態、昏迷、昏睡、痙攣  瞳孔      *  呼吸器     次亜塩素酸ナトリウム:気道内吸引による声門浮腫、肺水腫、                     呼吸困難  循環器     次亜塩素酸ナトリウム:ショック、心停止  消化器     シュウ酸:口腔・咽頭・食道・胃の灼熱感、嘔吐、吐血、下血、               下痢          次亜塩素酸ナトリウム:口腔・咽頭・食道・胃の疼痛と炎症、                     嘔気、嘔吐、化学熱傷、食道狭窄  電解質・代謝  *  肝       *  腎・泌尿器   シュウ酸:服用後約2日でシュウ酸カルシウム尿、乏尿、無尿、               血尿などが発現  体温      *  皮膚      シュウ酸:腐食作用があり、皮膚炎を生ずるかもしれない。               症状は上皮のひび割れなどからはじまり、手指では               チアノーゼとなる  神経・筋    シュウ酸:低カルシウム血症による筋繊維束攣縮、テタニー  血液      *  その他     目に入った場合            シュウ酸:熱傷            次亜塩素酸:角膜の腫脹、角膜上皮のびらん   【治療の概要】  1.5ml以上飲み込んでいる場合は受診          2.シュウ酸中毒に対する処置           ・牛乳、卵白を服用させ希釈する           ・グルコン酸カルシウムまたは乳酸カルシウムの経口投与            (150mg/kg必要なら反復投与)           ・電解質輸液(シュウ酸カルシウム結晶の腎尿路における析出を            予防)           ・胃洗浄(消化管穿孔に注意、できれば乳酸カルシウムを用いる)           ・吸着剤、下剤(硫酸マグネシウム)の投与           ・粘膜保護剤(マーロックス、アルロイドG)投与           ・グルコン酸カルシウムまたは塩化カルシウム10mlをゆっくり            静注、反復投与           ・対症療法          3.次亜塩素酸ナトリウム中毒に対する処置           ・牛乳、卵白を服用させ希釈する           ・胃洗浄(消化管穿孔に注意、できれば1%チオ硫酸ナトリウム            液を用いる)           ・粘膜保護剤の投与           ・対症療法  全身管理    *  催吐      催吐は禁忌(腐食性物質が再び食道を通過することにより炎症を          重篤化するため)          カルシウム塩の経口投与より不活性なシュウ酸カルシウム産生  胃洗浄     シュウ酸中毒の場合:炭酸水素ナトリウムは禁忌(吸収促進)  吸着剤     *  下剤      シュウ酸中毒の場合:硫酸ナトリウムは禁忌(吸収促進)                    硫酸マグネシウムを使用(吸収抑制)  強制利尿    *  血液浄化法   *  拮抗剤・解毒剤 *  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      シュウ酸中毒の場合:炭酸水素ナトリウムの胃洗浄は禁忌                    下剤として硫酸ナトリウム使用は禁忌          次亜塩素酸ナトリウム中毒の場合:酸による中和は禁忌                          (熱傷の危険)                          重曹・炭酸飲料は禁忌                          (炭酸ガス発生で胃破裂の危険)  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引   【参考症例】   *