【番号】     0064  大分類     毛髪用品  タイトル    ヘアトニック  分類番号    D031  小分類     ヘアトニック  性状・成分   基剤:エタノールを30〜90%含有          成分:栄養保護剤(卵胞ホルモン、ビタミン、アミノ酸など)             ふけ・かゆみ防止剤(抗ヒスタミン、ジンクピリチオン、             フェノール、サリチル酸、塩化ベンザルコニウムなど)             清涼剤(メントールなど)             消炎剤(ヒノキチオールなど)          その他配合剤:香料、色素   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     エタノールは、中枢神経系、とくに大脳機能、体温調節中枢・          血管運動中枢の抑制作用を有す  体内動態    エタノール:          吸収     胃・小腸粘膜から主に吸収。経皮吸収は小。                 経口時の最高血中濃度到達時間は30分から3時間          分布     体液のあらゆるコンポーネントに分布。                 分布容量は0.53〜0.60L/kg          代謝・排泄  90%以上が、肝臓でアルコール脱水素酵素の働きを                 うけてアセトアルデヒドから酢酸に、最終的には                 水と二酸化炭素に分解。                 2〜10%が腎・肺から未変化体で排泄          半減期    *          蛋白結合   *  中毒量     添加物で毒作用の強いものには含有量に制限があり、包装単位から          考えて、ヘアトニックの中毒はエタノールに起因する  致死量     エタノール:ヒト経口推定致死量 成人6〜10ml/kg、                          小児3.6ml/kg                          (ただし、個人差は大)                致死的エタノール血中濃度:0.4%(86.8mmol/L)以上  死因      *  その他     *   【症状の概要】  血中エタノール濃度と症状:            0.01%前後・・軽い酩酊、暖かくなり、快い気分            0.05%前後・・軽い乱れ            0.10%前後・・反応が鈍くなる、知覚能力低下            0.15%前後・・感情が不安定            0.20%前後・・ちどり足、嘔気、嘔吐、精神錯乱            0.30%前後・・会話不明瞭、知覚喪失、視覚の乱れ            0.40%前後・・低体温、低血糖、筋コントロール不全、痙攣、                   瞳孔散大            0.70%前後・・意識障害、反射減退、深昏睡、呼吸不全、死亡          その他に皮膚紅潮、低血圧、頻脈、代謝性アシドーシス、          ケトアシドーシス、小児ではとくに低血糖性痙攣を生じる。          誤嚥すると化学性肺炎の可能性あり。          昏睡が12時間以上続くと予後不良といわれる          眼に入った場合、一過性の痛みや刺激感あり  中枢神経    酩酊 精神錯乱 痙攣 深昏睡  瞳孔      散瞳  呼吸器     呼吸不全  循環器     低血圧 頻脈  消化器     嘔吐  電解質・代謝  低血糖 アシドーシス  肝       *  腎・泌尿器   *  体温      低体温  皮膚      皮膚紅潮  神経・筋    知覚低下 筋コントロール不全 反射減退  血液      *  その他     *   【治療の概要】  エタノール中毒の処置を行う  全身管理    1.輸液(5%ブドウ糖、乳酸加リンゲル液)、           脱水症・アシドーシスの補正を行う          2.輸液としての果糖はエタノールの代謝促進作用ありとの           報告がある一方、その臨床効果が期待できないばかりか           乳酸アシドーシスを悪化させるとの報告あり。           肝疾患、糖尿病、高尿酸状態の進んだ患者には禁忌          3.呼吸管理(気管内挿管、人工呼吸)、           循環管理(昇圧剤、利尿剤投与)を行う  催吐      服用1〜2時間以内ならとくに有効(2時間以内なら行う)  胃洗浄     1.服用1〜2時間以内ならとくに有効(2時間以内なら行う)          2.胃洗浄液は微温水または3〜5%炭酸水素ナトリウムを使用  吸着剤     吸着剤としての活性炭は、エタノールの吸収を阻止する効果はなし  下剤      *  強制利尿    無意味に近い  血液浄化法   血液透析は、自然代謝の2〜4倍の速さで血中からエタノールを除去          血中濃度が0.60%以上、0.40%以上で動脈血pHが7.0以下、          小児の重篤な場合に適用。          腹膜透析も有効  拮抗剤・解毒剤 *  その他     ビタミンB群経口投与(B1 50〜100mg B6 20〜30mg)          ビタミンB群は、エタノール分解の補酵素として働くため          代謝を促進          保温、低血糖のチェック          血中エタノール濃度計算法            公式 Cp=D/Vd            [Cp=エタノール血中濃度(%)、             D=摂取したエタノール量(g)、             Vd=分布容量(L)]            @Vd=0.53(L/kg)x体重(kg)、            AD=アルコール%(=標準強度/2)x摂取量(ml)x0.789(比重)   【その他一般】  *  禁忌      *  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引          急性中毒情報ファイル 【参考症例】   *