【番号】     0028  大分類     洗剤関係  タイトル    しみ抜き剤(ベンジンを主成分とするもの)  分類番号    A091  小分類     ベンジン  性状・成分   *   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     中枢神経抑制作用、粘膜刺激作用  体内動態          吸収     イソプロピルアルコール:胃、腸、皮膚から吸収                 される。血中濃度のピークは服用後1時間である          分布     *          代謝・排泄  イソプロピルアルコール:10〜20%が未変化のまま                             呼気、尿中に排泄され、                             80〜90%が代謝物の形で                             尿中に排泄される。                 陰イオン系界面活性剤:消化管から吸収され数時間                            後に肝臓に集まり代謝を                            受け、ほとんど24時間                            以内に尿中および糞中に                            排泄          半減期    イソプロピルアルコール:2.5〜3.0時間          蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     ベンジン:小児経口致死量 10〜15g(=約13.5〜22.4ml)               ヒト経口推定致死量 0.5〜5g/kg    死因      *  その他     *   【症状の概要】  1.ベンジンを気管内へ誤嚥した場合は化学性肺炎など起こす可能性           が高い。小児の場合誤嚥することが多いので、初期に症状が           なくとも、発熱、咳嗽、呼吸困難に注意する          2.ベンジン(石油蒸留物の炭化水素化物):おもに口腔・咽頭・           胃の灼熱感、嘔吐、下痢、中枢神経系抑制症状、誤嚥による           肺合併症など。           吸入時には循環の律動異常、呼吸不全、中枢神経系に対する症状           を生じる(詳細はそれぞれベンジン、灯油の項を参照)  中枢神経    *  瞳孔      *  呼吸器     *  循環器     *  消化器     *  電解質・代謝  *  肝       *  腎・泌尿器   *  体温      *  皮膚      *  神経・筋    *  血液      *  その他     *   【治療の概要】  1.なめた程度であれば経過観察          2.ベンジンの吸入:新鮮な空気を吸わせる          3.一般的な中毒に対する処置          4.ベンジンに対しては、経口時流動パラフィン30〜100ml投与(           流動パラフィンの投与は誤嚥を防ぎ、排泄を促進する)          5.吸入、誤嚥時には呼吸管理          6.ベンジン服用の無症状の患者で、6時間観察後、胸部X線により           異常のない場合は処置不要。また、初診時胸部X線に異常がある           患者や、初診時無症状でX線に異常がなくとも6時間経過観察中           に症状が進んだり、大量に摂取した患者は入院加療が必要  全身管理    *  催吐      *  胃洗浄     大量摂取し胃洗浄を行うときは、カフ付きチューブを使用し誤嚥を          防ぐ  吸着剤     *  下剤      *  強制利尿    *  血液浄化法   *  拮抗剤・解毒剤 *  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      脂肪族炭化水素(ベンジン等)は心筋の内因性カテコールアミンに          対する感受性を高め、心室細動や不整脈を誘発することがあるので          エピネフリンの使用は避ける  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引   【参考症例】   *