【番号】     0027  大分類     洗剤関係  タイトル    静電気防止剤(エアゾール剤)  分類番号    A081  小分類     エレガード スプレーハミング  性状・成分   陽イオン系界面活性剤(0.7〜2.4%)、エタノール(40〜80%)、          フロンガス(約50%)、LPガス(7〜8%)   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     陽イオン系界面活性剤:高濃度溶液(10〜15%)は腐食作用が                     あり、低濃度溶液(0.1〜0.5%)では                     粘膜刺激作用がある          エタノール:中枢神経系、とくに大脳機能、体温調節中枢、血管                運動中枢に対する抑制作用を有する          フロンガス:沸点が非常に低いため、皮膚に直接接触すると、                凍傷や凍結を生じる。吸入により、肺の酸素と                置換して、低酸素症を生じる。                また、最初に軽い麻酔作用が起こり、時間と共に                不整脈を生じる  体内動態          吸収     陽イオン系界面活性剤:経口摂取より、速やかに                            吸収される                 エタノール:胃・小腸粘膜から主に吸収される。                       経皮吸収はわずか。                       経口時の最高血中濃度到達時間は                       30分〜3時間                 フロンガス:速やかに吸収される          分布     エタノール:体液のあらゆるコンポーネントに                       分布し、分布容量は0.53〜0.60l/kg          代謝・排泄  エタノール:90%以上が肝臓で代謝され、2〜10%                       が腎・肺から未変化体で排泄                 フロンガス:肺から排泄          半減期    フロンガス:約15分          蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     陽イオン系界面活性剤:成人推定致死量 1〜3g          エタノール:ヒト経口推定致死量 成人6〜10ml/kg、                          小児3.6ml/kg(個人差大)                 致死的血中濃度0.4%(86.8mmol/l)以上  死因      *  その他     *   【症状の概要】  陽イオン系界面活性剤は含有濃度が低いので、これによって重篤に          なる可能性は少ないと考えられる          エタノール:嘔吐、紅潮、頻脈、酩酊、代謝性アシドーシス、                低血圧、低血糖、痙攣、呼吸抑制、昏睡など          フロンガス:吸入(高濃度)・・軽度の血圧低下、低酸素症、                         不整脈、肺刺激、気管支狭窄など                眼・・一過性の軽い炎症、結膜炎、充血、角膜混濁                皮膚・・直接かかると凍傷の可能性あり          陽イオン系界面活性剤:一般に口腔・咽頭部の灼熱感、咽喉痛、                     悪心、嘔吐、下痢が起こる。                     大量では、低血圧、不安、錯乱、痙攣、                     昏睡、呼吸筋麻痺による呼吸困難、                     チアノーゼ、低酸素症など  中枢神経    *  瞳孔      *  呼吸器     *  循環器     *  消化器     *  電解質・代謝  *  肝       *  腎・泌尿器   *  体温      *  皮膚      *  神経・筋    *  血液      *  その他     *   【治療の概要】  経口の場合、体重1kg当り、1ml以上飲んでいるようなら受診を          指示          経口:大量の場合、催吐(ただし、乳幼児は吐物を気管内に吸い             込むことがあり注意が必要)             牛乳(120〜240ml、幼児15ml/kg以下)、卵白などを与える             一般的な中毒に対する処置。             その他、対症療法(エタノールによる中毒など)          吸入:新鮮な空気下に移送             フロンガス中毒を考慮             呼吸・循環管理。その他、対症療法          眼:流水で15分以上洗浄          皮膚:患部の洗浄。凍傷に対する処置  全身管理    *  催吐      *  胃洗浄     *  吸着剤     *  下剤      *  強制利尿    *  血液浄化法   *  拮抗剤・解毒剤 *  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      *  合併症の処置  フロンガス中毒での不整脈に対し、硫酸アトロピンは無効である。          また、フェニトインは房室伝導を改善するが、心室伝導には          影響なし  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引   【参考症例】   *