(1)大学病院は、医学部等の附属病院であるため、従来医師や歯科医師の教育の場と理解されていた。
(2)今回の提言は、大学病院の機能を医師等の卒前教育に限ることなく、卒後の臨床研修や コ・メディカル・スタッフの実習等も含めた「研修・実習」機能も重要な柱であることを明かにし、大学病院を広く医療人の育成の場である「教育病院」と性格付けたもの。
(3)このような新たな位置付けに伴い、今後医師等の研修やコ・メディカル・スタッフの実習 について、大学病院における必要な経費、定員、施設・設備について、充実を図っていく。
将来的には、医療制度、医療保険制度上の位置付けについても期待。
また、実習受入れに関し、大学病院をコ・メディカル・スタッフ養成大学等との連携・ 協力体制を整備していく。
(1)大学病院では、難病の原因の解明、より迅速で精度の高い診断法、より有効で安全確実な治療法、患者負担を軽減しQOLを改善する診断・治療法など様々な研究が活発に行われている。これら先進的な医療研究にあっては、保険適用となるまでの研究費が大学の負担とな っているため、充実が必要であること。
(2)新たな診断・治療法の開発だけでなく、様々な診断・治療法の有効性についての研究(例えばガンについてどういう診断・治療法が有効なのか比較研究することなど)も今後重視されるべきであること。
(3)大学病院は、遺伝子診断・治療や臓器移植をはじめ先端的な医療を開発しているため、倫理面についても重視する必要があること。
(4)大学病院の研究の一環として、医薬品等の治験を行うことは、薬物療法の進展に寄与するひとつの社会的使命と考えられるので、服務、経費の透明性・明確性や科学的・倫理的な 適正さを確保しながら、今後も社会的理解を得て実施する必要があること(参照:治験に関するパンフレット)。
1.大学病院の運営は、教育、研修・実習、研究、診療と幅広く複雑であり、業務も多いが、この運営の責任者である病院長は、教授の兼任で2年程度の任期であることが多いので、そのリ−ダ−シップを強化するため、任期を長期化したり専任化したりすることを検討。
また、病院長を補佐するため、業務を分担する副病院長を置いたり、病院業務に精通した専門的職員を養成すること。
2.病院運営体制の中で、これまで医療技術職員の業務の在り方、病院運営への関わり、医師との関係などについては、従来まとまった検討がなされていなかったが、医療技術の高度化、チ−ム医療における臨床的業務の増加や実習・研修生に対する教育業務の拡大等の中で、その業務や組織などについて検討。