▲UMIN二十周年記念誌 TOP へ戻る


UMIN20周年

UMIN事務局
入江 真弓


 今回UMIN設立20周年という大きな節目に、UMIN事務局スタッフとして迎えることができ大変嬉しく思っています。また、いつもお世話になっております先生方とともに記念誌へ原稿を載せる機会をいただけましたこと、大変光栄に思っております。
 私はUMINへ籍をおいてから4年が経過しましたが、現在でも未だUMINの全サービスについて把握できていないのが正直なところです。それだけ事務局スタッフ内においても把握しきれないほど、医学・医療関係者向けのサービスを多岐に展開しているということがいえるかと思いますが、UMINでは、ある程度サービス毎に担当者を決めており、より迅速に効率よくサービスを提供できるよう努めております。私はこれまでにオンライン演題登録システムを担当し、現在はインターネット医学研究データセンター(以下、INDICE)の担当をしております。
 そういったこともあり、UMIN20周年という大きな題目で書かせていただくのは難しいので、現在までに担当してきましたサービスから20年目を迎えた現在のUMINについて、書かせていただこうと思います。

 まず、UMINへ入って驚いたことが、一般企業のように研修という期間がなく入ったその日から仕事を任せられる、ということです。提供しているサービスの数に対してスタッフ人数が少ないため、教えられる人と時間がないことが理由ではありますが、考えようによっては、新人のときから責任ある仕事を任せてもらえ、ある程度自分自身の考えで仕事を進められるという環境は、他ではなかなか考えられないことであり特化したものではないかと思います。確かに、最初は何もわからない状態で仕事を任され不安と緊張の毎日でしたが、責任を持つことにより利用者様により良いものを提供したいという思いも強まり、また、そのために自分のスキル向上を目指し勉強したりと、仕事を行っていくうえで色々と得るものがありました。
 先でも書きましたように、私はこれまでにオンライン演題登録システムとINDICEシステムを担当しております。私が仕事に就いた当初は、既にUMINは全国の医療関係者に周知されており、サービスを開始してから7年目を迎えたオンライン演題登録システム、4年目を迎えたINDICEもUMINの主要となるサービスとして確立されておりました。そのため、システムをよくご存じでいらっしゃる利用者様も多く、新人の時は、利用者様から逆にサービス内容についてご指摘をいただくことも多々あったことをよく覚えています。
 仕事は主に電子メールでのやりとりが多く、オンライン演題登録システムの場合は特に、利用者様が他のサービスに比べ圧倒的に多いため、1日に送られてくるメールに対し回答をするだけでも大変でした。また、演題抄録をWeb上で収集するためのシステムの画面作成及びプログラム作成など、これまで全くの未経験であった私には、試行錯誤の毎日でもありました。しかしながら、数多くの学術集会にて本システムをご利用いただいているということは、毎年それだけ多くの医学・医療関係者間で様々な医療の情報交換が行われるということで、やがて私のような市民への貢献にも繋がっていくのだと仕事を通して知ることができ、また本システムがいかに重要であるかを実感しました。
 現在はINDICEを担当しておりますが、このサービスは、研究者が主導の学術研究として行なわれる臨床・疫学研究の症例登録(割付)、データ収集を支援する目的で開設され、これまでに128(2008.10現在)の研究においてご利用いただいております。近年、日本においても臨床研究が重要視されてきたことを受け、ここ2〜3年で急激に利用数が増えており、一時期は申し込みからシステム利用開始まで1年待ちという時期もあり、2008年10月現在も半年待ちの状況となっております。そういった現状から、研究によっては予め決められた研究開始時期にシステム利用開始時期が間に合わないという理由にてキャンセルいただくことが増えてきており、本来UMINの目的の1つとしている「研究の支援」という役割を十分に果たせていないように思います。最近では、できる限りすべての研究に対しお引き受けできるようスタッフ体制の見直しや効率化を目的としたシステム構築の改善(管理者用の利用者登録、施設登録機能の設定等)など、いくつか対策を行っており、また現在もさらなる改善ができるよう対策を検討中です。利用者様の希望通りにサービスの提供をできることが最良であると考えておりますので、それにお答えできるよう日々努めたいと思っております。
 最後に、私自身UMINのサービス利用者側になるという機会がほとんどないため、利用者様からいただいたサービスに対する不具合や使いづらさ等のお問い合わせが大変貴重なご意見となり、システムの改善に繋がっていくと考えております。今後、日本の医療発展に比例してUMINにて提供するサービスも益々増えてくることと思いますので、これまで以上に利用者様からのご意見やご要望等をいただき、より良いものへ改良していくことでゆくゆくは医学・医療全体へ貢献できるのではないかと思っております。