編集後記

編集委員が皆こうした記念誌の編集に不慣れであり、当初はどのようにしてよいのかわからず、他の機関の記念誌を集めては内容を調べる日々が続きました。いろいろなアイディアが出されましたが、結局祝辞・関係者の想い出等の寄稿原稿、及び10年間の出来事や人事・会議等の過去の記録資料で構成するオーソドックスな形の記念誌になりました。
寄稿原稿については、関係者の方々にご無理をお願いして何とか予定期間内に原稿を集めることができました。関係者のご協力に感謝いたします。 記録資料の方は膨大な過去の記録の整理及び記録に残っていない事項の関係者への照会に大きな時間を取られてしまい、大変な苦労をしました。記録というものは「ただ残しておく」だけでは駄目で、「整理して利用可能な形で残して」おかなければならず、それには「労力」がかかるということを実感しました。今後はこれを反省し、意識的に記録をキチンとした形で残す努力をしたいと考えました。時間切れになり、十分なできとはいえませんが、本記念誌の編集作業は現在までの10年間の記録の整理という意味で大きな意義があったと思っています。この場を借りて、記録資料の作成に多大なご協力をいただいた株式会社日立製作所・日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社の皆様に感謝いたします。
UMINは、国立大学病院を中心とした多くの方々のご支援・ご協力により運営されていますが、各大学病院のUMIN連絡担当者の方々には特にお世話をいただいています。この経緯もあり、3名のUMIN連絡担当者の方に寄稿原稿のご執筆をお願いしました。この欄を借りて簡単に執筆者のエピソードをご紹介させていただくことにします。

○ 富山医科薬科大学の石田さん: 同大学は、数ヶ月前までUMIN利用者が全国で東大の次に多い大学でした。現在は京大ですが、大学の規模を考えるとやはりUMINの普及度は東大に次ぐものといえると思います。同大学関係者のUMIN普及への努力は非常に大きなものでした。同大学のUMIN連絡担当者としてお骨折りいただいてきたのが石田さんです。

○ 福井医科大学の山下先生: 高度な技術をお持ちで熱心に質問される連絡担当者の方です。下手な運用や設定をしているとすぐに指摘する要注意人物として、UMIN事務局で恐れられている、と同時に尊敬されている方です。

○ 大分医科大学の島岡先生: 「非常に重要な業務上の情報が見られない状況になって困っているのに対応が悪い」とお叱りを頂いた連絡担当者の方です。2年程前、業務上の重要な情報が掲載され始めた時期でした。それまでは、一般利用者からの苦情はよく来ていたのですが、「業務上」の問題で激しい苦情が来たのは初めてで、UMIN事務局一同恐れ入るともに感激したのを思い出します。

最後に、UMINの活動のご支援・ご協力いただいた文部省・大学関係者、その他の医学・医療関係者の皆様にこの場を借りて感謝の意を表したいと存じます。通常の場合、「文部省のご理解・ご支援」とは予算措置を意味し、しばしば儀礼的な使われ方をされますが、UMINの場合には文部省医学教育課による電子メール、文部省文書広報システム、各種データ収集システムの積極的な活用が各大学病院の事務官の利用を大きく促進する最も大きな原動力となった背景があり、予算措置以外の実質的な意味でも多大なご支援をいただいてまいりました。

これからもUMINの歴史は続きます。今後とも皆様のご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。


大学病院医療情報ネットワーク − 10年の歩み


平成11年6月8日発行
非売品

        編集
      大学病院医療情報ネットワーク10周年記念式典実行委員会
      10周年記念誌編集委員会

      櫻井恒太郎(代表者)、大江和彦、兼山精次、小室慎一、米谷光曉、
      永井義美、木内貴弘

        編集補助
        鎌田智子、渡里香、中間恭子

        発行
        東京大学医学部附属病院
        代表者 武谷 雄二
        〒113-8655東京都文京区本郷7−3−1
           
           印刷・製本
           小宮山印刷株式会社