ギプス固定  ギプス固定によりおこる循環障害、神経麻痺、圧迫創、出血、キャ スト症候群、筋力低下、筋萎縮などの合併症をいう。  ギプス装着後、良肢位に保ち、合併症予防の為症状の観察を行い、 異常があったら医師に報告し、早期に処置を行う。 〈循環障害〉  1.観察:皮膚温、色調、腫張の有無、爪甲色、毛細血管環流の有       無、動脈の拍動、疼痛(しめつけられるような痛み)  2.処置:@ギプス、綿包帯に割を入れ固定を緩める)       Aギプスカット 〈神経麻痺〉  橈骨・正中・尺骨神経麻痺、腓骨・脛骨神経麻痺が起こりやすい。  1.観察:放散痛、しびれ、知覚障害の有無、手指・足趾の運動障       害の有無  2.処置:圧迫部位の開窓 〈圧迫創〉  骨隆起部に発生しやすい  1.観察:疼痛(うずくような痛み)、発熱、悪臭、分泌物  2.処置:圧迫部位に綿花、スポンジ等を挿入し、圧迫の除去に努       める。有窓ギプストし、圧迫の除去を行なう。 〈出血〉  1.観察:ギプス上への出血は印をつけ、時間と共に記録する。       バイタルサイン、圧迫の有無、顔色など一般状態  2.処置:有窓ギプスとし、止血処置を行う。 〈キャスト症候群〉  体幹や下肢のギプス固定後に行りやすい。  1.観察:嘔気、嘔吐、腹部膨満などの消化器症状  2.処置:左側臥位や仰臥位で腹部の緊張を緩和する。症状改善が       ない場合はギプスを除去する。 〈筋力低下・筋萎縮〉  ギプスで固定されている患肢の筋肉は急速に萎縮するので、固定中  から積極的に運動を行う。   (手指、足肢の屈伸運動、筋肉の等尺運動)                             5−W