自殺企図  自殺を企てること 〈自殺手段〉 @縊首(紐・バンド・ストッキング・シーツ・シャツ・パジャマ・下  着・畳のへり) A自絞(紐で首をしめる、ビニール袋をかぶってタオルなどで首をし  める) B頚部、手首等を切る。胸を刺す。 C服薬、服毒(大量服薬・農薬・消毒薬・殺虫剤の服毒) D異物飲み込み(シャンプー・洗剤・針・歯ブラシ等) E投身(ビルの屋上・階段・窓) F飛び込み(鉄道・海・川等) G頭部打ちつけ(壁・床等) 〈発生時の対応〉 @縊首による自殺:すぐに紐を切って降ろし、脈拍の有無を確認し、  心肺蘇生を行う。紐類は、現場検証の為に結び目をほどかずに、切  断し保管しておく。 A凶器使用による自殺:直ちに止血を行い、ショックに注意する。 B服薬、服毒による自殺:服毒直後の場合は、多量の水を飲ませて吐  き出させる。これを繰り返しながら、医師に報告し指示を受ける。  場合によっては、胃洗浄等も必要となる。服毒後時間が経過した場  合は、胃洗浄は無効、又は吸収を早める危険もある。気道確保、人  工呼吸を行いながら全身管理を行う。いつ、どんな物を、どのくら  い飲んだかで対処の仕方が異なるので、これらのことを早めに把握  する。今まで元気だった患者が急に食欲不振になったり、嘔気、嘔  吐、腹痛等が出現したり、朝いつまでも覚醒しなかったり、眠りが  深いなど普段と異なる様子がみられたら注意する。 C投身自殺:生存の有無を確認し、生存している場合は救命処置を行  いながら、医師への報告を行い指示をあおぐ。 〈看護のポイント〉 @自殺を発見したら、まず応援を求め、患者に付き添う係りと、連絡  係りとに役割を分担し、慌てず、的確な救命処置を行う。 A連鎖反応を防ぐ為、他の患者の観察を密に行う。 B現場の確認と保存に努め、医師への報告を的確に行う。 C家族への対応は、ショックを理解し、誠意ある態度で接する。                             3−E