【番号】     0143  大分類     殺虫剤  タイトル    有機塩素系殺虫剤  分類番号    S111  小分類     クロルベンジレート含有・・・アカール          ベンゾエピン含有・・・マリックス チオダン マリックスベイト          DDT BHC エンドリン ディルドリン アルドリン           ケルセン  性状・成分   乳剤には灯油等の有機溶剤を含有   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     中枢神経系への強い刺激作用(知覚異常から麻痺までの種々の症状)  体内動態    *          吸収     消化管からよく吸収          分布     蓄積性があり脂溶性が強いため脂肪組織中に残留          代謝・排泄  尿中に排泄されるがその速度は遅い                 数時間〜数日間で排泄・・エンドリン、ケルセン、                             クロルベンジレート                 数週間〜数カ月間で排泄・・アルドリン、                              ディルドリン                 数カ月〜数年かかっても僅かしか排泄されない                            ・・DDT          半減期    *          蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     DDT:ラット経口LD50 113〜116mg/kg          BHC:ラット経口LD50 76〜90mg/kg          エンドリン:ヒト経口推定致死量 19.5mg/kg、                マウス経口LD50 5〜8mg/kg          ディルドリン:ヒト経口推定致死量 65mg/kg、                 マウス経口LD50 38mg/kg          アルドリン:マウス経口LD50 40〜70mg/kg          ケルセン:ラット経口LD50 684〜809mg/kg          クロルベンジレート:マウス経口LD50 729mg/kg          ベンゾエピン:ラット経口LD50 40〜60mg/kg  死因      *  その他     *   【症状の概要】  1.軽症:全身倦怠感、脱力感、頭痛、頭重感、めまい、嘔気、嘔吐          2.中等症:不安、興奮、部分的な筋痙攣、               知覚異常(舌、口唇、顔面)          3.重症:意識消失、てんかん様の強直性および間代性痙攣、              肝・腎障害、呼吸抑制、肺水腫、骨髄障害          4.初期には頻脈、体温上昇、発汗過多、血圧低下などの症状も伴う          5.重症者ではいきなり意識消失と全身痙攣をきたすことあり          6.大量皮膚接触では皮膚炎  中枢神経    頭痛、めまい、興奮、意識消失、痙攣  瞳孔      *  呼吸器     呼吸抑制、肺水腫  循環器     頻脈、血圧低下  消化器     *  電解質・代謝  *  肝       肝障害  腎・泌尿器   腎障害  体温      体温上昇  皮膚      *  神経・筋    筋痙攣、知覚異常  血液      骨髄障害  その他     *   【治療の概要】  1.基本的処置(胃洗浄、吸着剤、塩類下剤の投与)と           対症療法(呼吸・循環管理、痙攣対策)          2.腎障害の可能性があるので尿量の保持に努める  全身管理    *  催吐      *  胃洗浄     *  吸着剤     *  下剤      *  強制利尿    *  血液浄化法   血液透析、血液潅流(DHP)や血漿交換の有効性については          実証されていない  拮抗剤・解毒剤 解毒剤・拮抗剤なし  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      1.油類・牛乳の投与は禁忌(脂溶性なので吸収を促進)          2.油性下剤の投与は禁忌(有機溶媒の吸収を促進する)          3.アドレナリンの使用は禁忌(不整脈誘発)  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引   【参考症例】   *