【番号】     0089  大分類     食品  タイトル    ナツメグ  分類番号    I041  小分類     ナツメグ  性状・成分   ミリスチシン、エレミシンを含有する精油を8〜15%含有   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     1.モノアミンオキシダーゼ阻害作用による精神神経作用          2.抗クリン作用はない  体内動態    *          吸収     *          分布     *          代謝・排泄  ミリスチン、エレミシンの1部は各々幻覚誘発作用                 をもつ物質へ代謝される          半減期    *          蛋白結合   *  中毒量     ヒト経口中毒量:ナツメグ5〜15g          1.茶サジ9杯/日で中毒症状発現症例あり          2.成人で5g以上摂取すると精神症状発現          3.8才男子、ナツメグ2個摂取24時間後に死亡  致死量     ナツメグ2個  死因      *  その他     *   【症状の概要】  症状発現は経口摂取後1〜8時間          精神症状持続時間:6〜24時間          回復:通常、24時間以内。2〜3日かかることあり          初期には中枢神経刺激症状を示し、後期には傾眠状態が24時間          以上、ときに数日持続することあり          注意:アトロピン中毒症状と類似(顔面紅潮、頻脈、唾液分泌             低下など)の症状を呈し、誤診することあり  中枢神経    中枢神経刺激症状:初期に眩暈、興奮、不安(24時間以上                   続くことあり)、幻覚、多幸感  瞳孔      縮瞳(散瞳を呈することもある)  呼吸器     速く不規則な呼吸  循環器     頻脈、胸部圧迫痛、低血圧、ショック  消化器     嘔吐、口渇  電解質・代謝  *  肝       *  腎・泌尿器   *  体温      *  皮膚      *  神経・筋    四肢脱力感  血液      *  その他     *   【治療の概要】  大量の場合:基本的処置(胃洗浄、活性炭と下剤の投与)          対症療法  全身管理    幻覚症状のある患者には鎮静(バルビツール酸療法)          クロルプロマジン、ジアゼパムも有効  催吐      *  胃洗浄     *  吸着剤     *  下剤      *  強制利尿    *  血液浄化法   *  拮抗剤・解毒剤 拮抗剤はなくピロカルピンは拮抗剤として無効          (アトロピン様症状に対して)  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      *  合併症の処置  *  その他     *   【参考文献】   急性中毒処置の手引          中外医薬 43、36   【参考症例】   22才♂ ナツメグ10g服用後脱力感出現。夜間息苦しくなり          救急入院。意識状態は3−3−9度方式でU−30。          他の異常なし、翌日意識は清明となった