【番号】     0023  大分類     防虫剤  タイトル    カンフル「樟脳」  分類番号    G031  小分類     和服樟脳 藤沢樟脳  性状・成分   比重:0.99 水に浮く   【作用の概要】  *  薬理作用    *  毒作用     局所刺激作用          中枢神経刺激作用:緩和な中枢神経刺激から大発作または痙攣重積                   状態を引き起こす。                   延髄の呼吸中枢、血管運動中枢を興奮させて                   呼吸を促進し、血管を収縮。                   心臓に対しては直接には抑制作用を示す。                   代謝産物はほとんど作用を示さず  体内動態          吸収     皮膚、粘膜、とくに消化管からよく吸収。                 胎盤を通過。          分布     *          代謝・排泄  速やかに酸化され、肝でグルクロン酸抱合をうける                 代謝産物も脂溶性なので脂肪層への蓄積がみられる                 ことがある                 抱合後、尿中に排泄。カンフルとその代謝物は                 肺からも排泄されるので、その臭いによって                 診断が可能          半減期    *          蛋白結合   *  中毒量     *  致死量     乳幼児経口致死量:1g          成人経口致死量:2g(ただし、20gでも生存例あり)  死因      *  その他     *   【症状の概要】  摂取後5〜90分以内に突然痙攣。吸入や経皮でも中毒症状が発現。          6〜8時間観察して症状が出なければ中毒の心配なし  中枢神経    頭痛 めまい 興奮 錯乱 譫妄 幻覚 振せん てんかん様痙攣          意識障害 昏睡  瞳孔      *  呼吸器     呼吸抑制 呼吸不全  循環器     ショック 頻脈  消化器     口腔・咽喉部灼熱感 悪心 嘔吐  電解質・代謝  *  肝       *  腎・泌尿器   *  体温      *  皮膚      皮膚の紅潮  神経・筋    筋反射増大  血液        その他        【治療の概要】  一般的中毒に対する処置:ただし、催吐は禁忌          対症療法:痙攣と呼吸障害に対する治療が最も重要          なめた程度なら水をあたえて様子をみる          大人1g以上、乳幼児0.5g以上飲んだときは入院させ厳重に監視する          必要あり  全身管理    痙攣にはジアゼパム静注、コントロールができなければ          フェニトインまたはフェノバルビタールを静注  催吐      禁忌(痙攣誘発のおそれあり)  胃洗浄     *  吸着剤     *  下剤      油性下剤は禁忌(吸収促進のおそれあり)  強制利尿    無効  血液浄化法   ふつうの血液透析は無効 血液潅流も効果不明          脂質による血液透析または樹脂による血液潅流を推奨する報告あり  拮抗剤・解毒剤 *  その他     *   【その他一般】  *  禁忌      催吐・油性下剤投与は禁忌、アルコール・牛乳・脂肪食は禁忌  合併症の処置  *  その他     予後:摂取6〜8時間経過後無症状なら余り心配なし。             24時間以上生存すれば回復の可能性は強い   【参考文献】   急性中毒処置の手引   【参考症例】   *